
清水直行インタビュー 後編
(前編:清水直行が指摘するロッテ投手陣の課題 野手陣は「中距離打者」がカギ>>)
昨季のパ・リーグ最下位から巻き返しを図るロッテは、2005年と2010年の日本一を経験したサブロー新監督が就任したほか、当時のメンバーである西岡剛氏、小林宏之氏らをコーチとして招集した。やはり2005年のメンバーの清水直行氏に、新体制に期待することなどを聞いた。
【サブロー新監督は1年目から勝負の年に】
――サブロー新監督の1年目に、どんなことを期待しますか?
清水直行(以下:清水) 1年目ではありますが、選手や戦略をじっくり試すということではなく、1年目から結果が問われるのではないかと。ロッテの二軍監督を務め、昨季の途中からは一軍ヘッドコーチと、ある意味での準備期間を経てのスタートになりますから。西武の松井稼頭央元監督もそうでしたよね。西武の二軍監督、一軍ヘッドコーチを歴任し、満を持して監督になりましたが、そのケースと同様に1年目から勝負だと思います。
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ロッテの井口資仁元監督、巨人の高橋由伸元監督は、現役引退後すぐに監督に就任しましたが、そういったケースとはまったく違います。二軍で若い選手を見てきて、ヘッドコーチとして一軍の野球にも携わった経験を活かすシーズンになるでしょう。
――昨季は若手を積極的に起用し、秋季キャンプでは昭和流の厳しい練習で選手を鍛えました。監督としてはこれからですが、ここまでの取り組みはどう見ていますか?
清水 どちらかというと吉井理人元監督は、練習は自主性を重視し、試合ごとにスタメンを変える選手起用をしていましたが、サブロー新監督は真逆ですね。オーダーは固定し、先発ピッチャーには長いイニングを任せ、練習は厳しくすると。ある程度振り切って自分のカラーを打ち出しているというか、方向性は示してきているのかなと。
【西岡コーチに期待する、選手たちの意識の変化】
――サブロー新監督も「人事の目玉」と話していたのは、16年ぶりに古巣ロッテに復帰した西岡剛さん。チーフ打撃コーチ兼走塁コーチに就任しました。
清水 秋季キャンプでは、バッティングの指導もけっこうしていましたね。現役時代は技術が高い選手でしたし、打撃と走塁面で技術を伝授していってもらいたい。特に走塁は、意識を含めて変わっていくでしょう。彼がチームに来て変わらなかったら、誰が来たら変わるのか、というくらいだと思っています。個々の意識や技術の変化が、チームの得点力につながっていくはずです。
――西岡コーチは現役時代、走攻守に優れ、WBCや五輪などでも活躍してきました。さらに、メジャーリーグやセ・リーグの阪神、BCリーグ、九州アジアリーグなど、さまざまなフィールドで選手や指導者として経験を積んできました。
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清水 そういった経験は、コーチングをする上で大きなウエイトを占めると思っています。それと、自身がスイッチヒッターだったことも大きい。右バッターの感覚も左バッターの感覚もわかりますし、首位打者、200安打も達成しているほどのバッターでしたから(2010年にシーズン200安打を達成し、首位打者を獲得)、選手に対しての説得力が違うと思います。2年連続(2005年、2006年)で盗塁王になるなど、走塁技術もずば抜けてますからね。
――満を持しての古巣への帰還ですね。
清水 私も本人に、「スター選手なんだから、どこかのタイミングでロッテのユニフォームを着るべきだ。すごくいい経験になるよ」と話したことがあります。自分も解説の時などに球場に行くこともあるでしょうから、「応援するよ」とも伝えています。
【小林コーチがまずやるべきこと】
――同じく、2005年のチームメイトだった小林宏之さんが、投手コーチに就任しました。
清水 少年野球の指導を行なうマリーンズ・ベースボール・アカデミーのコーチや監督を歴任していましたし、ZOZOマリンスタジアムに行ったときによく顔を会わせていました。ただ、彼はずっとアカデミーにいたので、それほど深くロッテの選手たちと接したことはないと思うんです。
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2月のキャンプから、選手とともに過ごすことになります。まずはコミュニケーションをとって、選手のルーティーンや性格、どれくらいで肩ができるのか、調子がいいときの投球フォームはどうなのかなど、さまざまなことをインプットしていかなければいけません。自分も経験しましたが、いろいろ資料を集めなければいけませんし、自軍のピッチャーの特長や対戦相手のデータの把握なども含め、やるべきことはかなり多いと思います。
――黒木知宏投手コーチとの役割のすみ分けはどうなるでしょうか。
清水 あくまでも自分の予想ですが、黒木コーチがベンチに入り、小林コーチはブルペンに入るんじゃないのかなと。もしかすると逆もあるかもしれませんね。いずれにせよ、機能する形を探っていくしかないですし、担当コーチ同士でコミュニケーションをとってやっていくしかありませんね。
サブロー新監督をはじめ、西岡コーチ、小林コーチも一緒に戦った間柄ですし、チームを立て直していくことを期待しています。
【プロフィール】
清水直行(しみず・なおゆき)
1975年11月24日に京都府京都市に生まれ、兵庫県西宮市で育つ。社会人・東芝(旧・東芝府中)から、1999年のドラフトで逆指名によりロッテに入団。長く先発ローテーションの中核として活躍した。日本代表としては2004年のアテネ五輪で銅メダルを獲得し、2006年の第1回WBC(ワールド・ベースボールクラシック)の優勝に貢献。2009年のシーズン後にトレードでDeNAに移籍し、2014年に現役を引退。通算成績は294試合登板105勝100敗。引退後はニュージーランドで野球連盟のGM補佐、ジュニア代表チームの監督を務めたほか、2019年には沖縄初のプロ球団「琉球ブルーオーシャンズ」の初代監督に就任した。

