再選に向け支持拡大へ=激戦州にらみ、対中関税上げ―バイデン米大統領

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2024年05月15日 09:01  時事通信社

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米ウィスコンシン州で演説するバイデン大統領=8日(AFP時事)
 【ワシントン時事】バイデン米政権が、鉄鋼やアルミニウム、電気自動車(EV)などへの対中制裁関税の引き上げを表明した。鉄鋼業や製造業が盛んな東部ペンシルベニア州や中西部ミシガン州は、11月の米大統領選を左右する激戦州。バイデン大統領は国内産業保護の姿勢を明確に打ち出すことで、再選に向け支持拡大を目指している。

 バイデン政権は、トランプ前政権が発動した対中制裁関税について、EVは現行の4倍となる100%、鉄鋼、アルミは3倍超の25%に引き上げる。中国製自動車には高関税が課されており、一部の鉄鋼・アルミには、安全保障上の脅威を理由にした追加関税も発動済みのため、いずれも米国での流通は少ない。

 ただ、安価な中国製品が流れ込み、「米企業の生産能力が失われれば、再構築するのは難しい」(タイ米通商代表)と、政権は先手を打つ必要性を強調。産業保護を求める鉄鋼や自動車業界、労組に寄り添う姿勢を示してきた。

 背景にはバイデン氏が再選を目指す大統領選がある。政治サイト「リアル・クリア・ポリティクス」によると、ペンシルベニア、ミシガン両州とも、バイデン氏の支持率は、共和党の対抗馬トランプ前大統領をわずかに下回っている。

 2016年の大統領選では、両州などで現状に不満を持つ白人労働者票がトランプ氏に流れ、全体の勝利を決定づけた。今年の大統領選でも両州を含む一部州の結果で「全体の勝敗が決まる」(米メディア)とみられている。

 トランプ前政権が発動した対中制裁関税は、中国と関税を掛け合う「貿易戦争」を引き起こし、「米国の雇用にはマイナスになった」(米シンクタンク)との試算もある。中国は今回の関税引き上げについて、「権利と利益を守る」(外務省副報道局長)と、報復を示唆している。 

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