1000円台で大満足の“餃子酒場”に!肉汁あふれる「肉汁餃子のダンダダン」で“呑む”!<チェーン店ひとり酒>

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2024年06月22日 16:01  日刊SPA!

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「究極の餃子定食」
 ちょっとだけ飲んでから帰りたいけど、わざわざ居酒屋に行くほどではない――。そんなときに重宝するのが「ちょい飲み」のお店だ。吉野家の「吉呑み」を筆頭に、最近ではファミレスやファストフード、大衆中華チェーンなどでもちょい飲みセットを提供するところが広がっている。
 日常的に酒場へ通い、酒にまつわる連載や本を多数執筆している酒場ライター・パリッコさん(@paricco)。普段は地元に密着していて、単独ではちょっと入りづらいような個人店を取り上げている彼に、ベタなチェーン店で飲んでもらう連載「パリッコのチェーン店ひとり酒」。

 記念すべき初回に取り上げるのは、全国120店舗以上を展開する「肉汁餃子のダンダダン」。果たしてパリッコさんはどう立ち振る舞うのでしょうか?

◆気になる餃子チェーンへ

 ここ数年、街で頻繁見かけるようになったチェーン店がある。「肉汁餃子のダンダダン」。オフィシャルサイトで確認してみると、北海道から九州まで、なんと全国で100店舗以上を展開しているらしい。そりゃあよく見るはずだ。

 ところが僕は、まだだダンダダンに行ったことがない。「ぎょうざの満洲」をはじめとする好きな中華チェーンが他にいくつもあるし、僕は僕で忙しいのだ。ただ、そんなに人気なのならば、そこにはなんらかの理由があるはずだ。思い立ったが吉日。今日はダンダダンに昼飲みをしに行ってみよう。

 あまり予備知識はないものの、とりあえず入ってみる。するとテーブル上には、ランチ限定「究極の餃子定食」のメニュー。店員さんに聞くと、グランドメニューも頼めるということで見てみると、餃子や酒のつまみ的な単品料理がいろいろとあり、また、馬刺しにもすごく力を入れているようだった。

◆結果お得に飲めるパターン

 が、こういう店で昼帯に飲むにあたり、実はランチ定食を頼んでしまうと、各種のおかずがすべてつまみになり、結果お得に飲めるパターンは多い。値段設定が、税抜きで909円、税込みでぴったり1000円というのも、なんだかすごく気持ちがいい。初訪問ということもあるし、今日はそれにしてみよう。

 お酒にも力を入れているようで、多彩なサワー類や、僕の愛するホッピーがあるのも嬉しい。いきなり「ホッピーセット 白」(548円)からいってしまおう。

 梅雨前の貴重な湿度の低い風が流れ込む店内。昼間っから飲めるホッピーセット。こんないい店が地元にあったなんて、もっと早く気づいておけば良かった。やがて、餃子定食も到着。

◆食べる前からもはや言うことはない

 内容は、名物の「肉汁餃子」が6個に、「鶏出汁ワンタンスープ」「春雨サラダ紫蘇風味」「特製旨味練りタラコ」「国産温泉玉子」「山くらげ」そして「餃子に合うご飯」。ごはんは「少なめ」とお願いしたが、それでもしっかりとした量がある。

 たった1000円でこの充実ぶりなら、食べる前からもはや言うことはない。さてどこからいくか。魅力的な品が並びすぎて悩むけど、まずはジャブで……山くらげ?と、ひと口つまむと、鮮烈なカリポリ食感が脳に響くようで心地いい。しかも、ノーマルと梅風味の2種類。これだけでぐいぐいホッピーがすすむぞ。

 続いてはいよいよ餃子!といきたいところだけど、もう少しもったいぶろう。春雨サラダ紫蘇風味をつまむ。春雨サラダといえば、居酒屋の“やる気ないお通し”の代表格と思いきや、これが今までにない爽やかな風味でうまい。こだわりを感じる。そういうやり口か。

 さらに鶏出汁ワンタンスープをズズズとすする。鶏の深い旨味にくらくらする。謎の特製旨味練りタラコも、謎にうまい。参った。餃子を食う前から早くも降参状態。

◆肉汁があふれだす!

 期待値がぞんぶんに高まったところで、いざ餃子。しっかりと味がついているから、まずはそのまま食べるのが店員さんのおすすめらしい。確認のため箸で割ってみると、さすがその名を背負っているだけあり、じゅわ〜っと肉汁があふれだす。あわててカメラを構えるも、流れ出たそれを抑えきれなかったものの、それでも口に運ぶと、まだまだすさまじくジューシーだ。

 そしてこの餃子、純粋にうますぎる。餡の比率的には、たっぷりの肉がメインで、にんにくとニラの風味がしっかりと効いていて、ほんのりとしたシャキシャキ要素はキャベツか。たとえがうまくないのが面目ないんだけれど、コンビニやスーパーで売ってるチルドのものではなくて、専門店のちゃんとした肉まんを食べ、その肉々しさと旨味に感動したことはないだろうか? その感動が、餃子のひとつひとつに宿っている感じ。満足感がすごい。

 当然、白メシにも合いすぎるし、その相性をじっくり堪能したあとにぐびりと飲むホッピーも最高。けれども僕は、餃子といったら醤油、ラー油、酢をしっかりと混ぜたたれで食べるのが大好きだ。お店には悪いけど、その味つけでもいかせてもらう。

 すると当然これが、全身全霊で宇宙に感謝したくなるほどにうまい。そりゃあすごい勢いで増えるわな。ダンダダン。

 チョイスを定食にしたのも大正解で、よくだしの効いた温泉玉子をのせたごはんも、皮もちもちで餡がこれまた肉々しいワンタンも、すべてが良いつまみになる。

◆まさかのナカ入れ放題システム

 ホッピー用のおかわり焼酎、「ナカ」(383円)のおかわりをしてまた驚いた。なんと、僕が「ストップ」と言うまでやかんから注ぎ続けてくれるタイプだったのだ。つまり、最後までストップと言わずにグラスのフチぎりぎりまで焼酎を注いでもらうことも可能ということ。幸い、僕はまだ泥酔にはいたっておらず、しかも中年ひとり客。調子にのって「フゥー! まだまだいける!」などというテンションにはならなかったが、1杯目よりもずいぶん多めの、グラスの半分付近までナカを注いでもらい、濃いめのおかわりホッピーを堪能したのだった。

 ダンダダン、お得なコース料理や飲み放題もメニューにあったし、大人数で宴会をするのも絶対に楽しいだろう。ただ、餃子の真骨頂ってやっぱり、ひたすら餃子をおかずに白米をむさぼる幸せなんだよなぁ。地元に、いつでもその喜びを堪能できる店があることを新しく知れて良かった。

<文・イラスト/パリッコ>

―[チェーン店ひとり酒]―

【パリッコ】
1978年東京生まれ。酒場ライター。著書に『酒場っ子』『つつまし酒』『天国酒場』など。ライター・スズキナオとのユニット「酒の穴」としても活動中。X(旧ツイッター):@paricco

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