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5月末に米オレゴン州ユージンで行われた陸上のパリ五輪米国代表選考会で、トランスジェンダーで、性別の認識を男女の枠組みにあてはめないノンバイナリーのニッキ・ヒルツ(29)が、女子1500メートルで米国人選手として史上2番目となる3分55秒33の自己ベストで優勝し、五輪代表入りを決めた。
レース最後の直線で2選手を抜き去り、選考会記録を樹立したヒルツは、初の五輪出場となる。「これは私だけのものではない。プライド月間の最終日に、自分のコミュニティーのためにこのレースを走りたかった。LGBT当事者のみんなが私を最後の100メートルまで連れてきてくれた」と述べ、五輪出場権の獲得は個人的な成果を超えた意義があるとコメント。支えてくれた人たちに感謝の言葉を述べた。
国際オリンピック委員会(IOC)は、21年にトランスジェンダー選手の出場資格について、各競技を統括する連盟に委ねる方針を決めた。国際陸上競技を統括する世界陸上連盟は昨年、男子として思春期を経験したトランスジェンダー選手の女子カテゴリーへの参加を禁じる方針を決めたが、男性でも女性でもないと自認するノンバイナリー選手についての規定はない。
出生時の性別が女性に指定されたノンバイナリー選手は、ホルモン療法を受けていなければ、一般的に女子カテゴリーでの出場を認めている。
米NBCニュースによると、ヒルツは五輪に出場する初のノンバイナリー選手ではなく、21年東京五輪に出場したカナダのサッカー選手クインがトランスジェンダー、ならびにノンバイナリーを公表している初の代表選手だという。
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(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)
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