容疑者は防護服姿　過去に原発再稼働反対も　自民党本部前に火炎瓶

　東京都千代田区の自民党本部前や首相官邸で19日早朝、火炎瓶が投げつけられるなどした事件で、公務執行妨害容疑で逮捕された臼田敦伸容疑者（49）＝埼玉県川口市＝が当時、黄色っぽい防護服を着ていたことが捜査関係者への取材で判明した。

　捜査関係者によると、臼田容疑者は、過去に原発再稼働に反対する活動に関わっていたとの情報もあるといい、警視庁公安部が動機や事件に至る経緯を調べている。

　事件は19日午前5時45分ごろ、千代田区永田町1の自民党本部前で火炎瓶6本が投げられ、一部が本部の敷地内に落ちるなどし、本部の外側や警戒中だった警視庁機動隊の車両が焼けた。

　約5分後の5時50分ごろには、車に乗った臼田容疑者が首相官邸の敷地に突入しようとしたが、警備用の柵にぶつかって停車。火炎瓶3本を投げつけ、ワンボックスカーの中にあった発火物も燃やしたとされる。

　臼田容疑者はその場で警察官に身柄を確保され、公務執行妨害容疑で現行犯逮捕された。ワンボックスカーの中にはカセットコンロのようなものや、10個ほどのポリタンクが積まれ、複数の火炎瓶のようなものも見つかった。火炎瓶は手製とみられる。複数の発煙筒のようなものも残っていた。【木下翔太郎】