朝食は◯◯を食べて!「なんだかフワフワする」を改善する食事法を医師が解説

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2024年10月21日 23:00  クックパッドニュース

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「朝起きたらフワフワする」「地震が収まったのに、まだ揺れているように感じる」それはもしかすると、“フワフワめまい”とも呼ばれる浮遊性めまいの症状かもしれません。実はこの“フワフワめまい”は、食生活などの生活習慣を見直すことで改善できるかもしれません。そこで今回は、坂田英明医師・神崎晶医師による共著『フワフワするめまいを治す最強の食事術 名医が教える新しいめまい撃退法』(徳間書店)から、フワフワめまいを改善する食事法について少しだけお届けします。

なんだかフワフワする…」めまいは社会の情勢を映す現代病

めまいに悩む人が増え続けています。

日本には、めまいの患者さんが約3000万人いると推定されています。日本の人口比で、4人に1人がめまいに悩まされていると考えられるのです。そのうち、「フワフワめまい」とも呼ばれる浮動性めまいに悩む人はなんと2000万〜2200万人もいると想定されています。

体質的なものを除くと、めまいの原因とされるのは、ストレスや加齢、生活習慣、社会環境など。ストレス社会と呼ばれる現代社会では、多くの人たちが仕事や勉強、家事に追われ、睡眠不足に陥ったり、不規則な生活を続けたりしています。こうしたストレスや生活習慣の乱れが、めまいを増やしているともいえるでしょう。めまいというのは、その時代や社会の情勢を反映しやすい現代病でもあるのです。

こうした時代背景を反映するかたちで、「フワフワめまい」に悩む人も大幅に増えています。その主たる原因が、ストレスや生活習慣の乱れにあるからです。

「フワフワめまい」とは、いったいどのようなめまいなのでしょうか?まずは、その主な特徴について触れておきましょう。

▼フワフワめまいの主な特徴
・グルグルした回転性ではなく、フワフワした浮動性のめまいである
・回転性のめまいを併発することがある
・原因は、実は複数ある
・耳鼻咽喉科などで「原因不明」「異常なし」と言われることが多い

「フワフワめまい」を引き起こす原因は複数ありますが、最も主要な原因が自律神経の乱れです。自律神経のバランスが崩れ、体温の日内変動も健康的なパターンではなくなり、その結果、さまざまな病気や症状が引き起こります。こうして起こる病気の1つが、フワフワめまいなのです。

朝は和食がおすすめ!自律神経を整える食事のルール

フワフワめまいに悩む人は、自律神経のバランスが乱れています。それにより、体温の日内変動も健康的なパターンが崩れていることが多いのです。食事を改善することにより、腸内時計を刺激し、体内リズムを整えます。これを続けていき、自律神経を整えます。

そこで今回は、自律神経を整える食事のルールをいくつかご紹介します。

朝起きたらコップ1杯の白湯を飲む


まず、朝起きたら、コップ1杯の白湯を飲む習慣をつけましょう。沸騰させたお湯を冷まして、37°C前後の人肌になるまで待ってから飲みます。

白湯を飲むことによって、腸が刺激され、体内時計のリセットに役立ちます。また、体温の日内変動では、1日のうち、朝方が最も体温が低くなっていますが、これを上昇させる効果があります。

フワフワめまいに悩む人は、1日を通じて体温が低めであったり、体温の日内変動が健常者とは違ったパターンになったりしている人も多いものです。朝、起床したら、白湯や朝食で体温を上げることが、体温の日内変動を正常化させるための第一歩となります。

朝食では、体を温める食材を摂る


朝食にも、白湯と同じく、「体内時計をリセットする「体温を上昇させる」効果があります。このなかでも、特に重視したいのが体温を上昇させる効果です。

体温は、朝方、最も低くなっていますから、それを上昇させる必要があります。そのためにお勧めしたいのが、「体を温める食材」を摂ることです。

体を温める食材としては、以下のようなものが考えられます。

▼体を温める食材
根菜類:ゴボウ・ニンジン・ショウガ・ヤマイモなど
寒い地方で育った食材:サケ・イクラなど
発酵食品:納豆・みそ・ぬか漬けなど

例えば、朝は典型的な和食である「ごはん、みそ汁、焼き魚、卵、納豆、漬物」の組み合わせは理想的です。ごはんによって糖質を摂れます。卵や焼き魚、納豆によってたんぱく質の補給もできます。野菜をたくさん使った具だくさんのみそ汁を作れば、野菜を多めに摂取できて、栄養バランスがよくなります。焼き魚にサケを選んだり、みそ汁の具材としてゴボウやニンジンを取り入れたりするのなら、体を温める食材も摂取できます。納豆、みそ汁、漬物はいずれも発酵食で、これらも体を温める食材になります。

こうした点から和食は、体を温める食材を摂るうえで非常に重宝する食事のスタイルであるのです。

夕食では、体を冷やす食材を摂る


体温は午後2時をピークに、徐々に下がっていきます。そして、寝る直前に体温が最も低くなるのがベストです。深部体温(臓器などの体の深部の体温)が下がっていくことで、自然な眠りが訪れます。また、深部体温の低下によって良質な睡眠がもたらされることが、睡眠にまつわるさまざまな研究から判明しています。

そこで夕食は、朝食とは逆になりますが、深部体温を下げるような「体を冷やす食材」を摂ることが勧められます。

体を冷やす食材には、次のようなものがあります。

▼体を冷やす食材
葉野菜類:キャベツ・レタス・ハクサイ・ホウレンソウなど
体を冷やす野菜:トマト・キュウリ・ダイコンなど
暑い地方で採れた食材:スイカ・バナナ・パイナップルなど
グリシンの豊富な食材:エビ・カニ・ホタテなど

根菜類が体を温める効果があるのに対して、葉野菜類は体を冷やす作用があります。また、葉野菜類以外では、上記に挙げたような野菜類も、体を冷やします。寒い地方で採れた食材は体を温める効果を持ちますが、暑い地方で採れた食材は体を冷やす効果を持ちます。特に果物には、その傾向が顕著です。最後にあるグリシンとは、アミノ酸の一種で、体を冷やす作用があります。グリシンには、深部体温を下げ、質のよい眠りをもたらす作用があるという報告もなされています。

夕食では、ここで、紹介したような食材を意識的に摂るようにしましょう。朝食では、1つの理想的なスタイルとして和食を推奨しました。しかし、夕食は、ご自分のお好みのスタイルの食事でいいでしょう。

なお、夕食は就寝の3時間前には終えることが理想です。食べたものの消化には2〜3時間かかることが考えられるからです。胃のなかに食べ物が残っていると、胃腸に負担がかかり、寝つきも悪くなります。そうはいっても、忙しい人にとっては、それを守ることは難しいかもしれません。そんな場合には、「できるだけ早め」を心がけるといいでしょう。

本文は『フワフワするめまいを治す最強の食事術 名医が教える新しいめまい撃退法』(徳間書店)より一部抜粋・編集・追記しています。

画像提供:Adobe Stock

著者メッセージ

ふわふわするめまいは、実は誰もが一度は経験したことがある憂鬱でつらいものです。
その原因はさまざまですが、自律神経の乱れが深く関係しており、本書では食事から治すことを目指します。
自律神経を整えるのには、ヒトの体内にある「体内時計」という1日周期でリズムを刻む時計を、乱れなく動かすことが重要です。そのためには、朝から食事によって腸を中心に体温を上げていき、昼過ぎをピークとし、夜にかけて徐々に下げていく周期を守りましょう。
これによりめまいは解消し、元気で生き生きとした生活を取り戻すことができます。(坂田英明医師)

書籍紹介

『フワフワするめまいを治す最強の食事術 名医が教える新しいめまい撃退法』(徳間書店)



私は、これまでに3万人を超える「体がフワフワするめまい」の患者さんを診てきました。

この種のめまいは、専門であるはずの耳鼻咽喉科や脳神経外科、心療内科に行っても、はっきりとした原因や病名が下されないことがよくあります。原因や病名がわからなければ、医師としても治療の施しようもありません。

日本には、推定約3000万人のめまいの患者さんがいるといわれています。その数は、人口比でおおよそ4人に1人。このうち、回転性めまい(グルグルめまい)は800〜1000万人。フワフワめまいは、実に2000万〜2200万人もいるとされています。

本書で提案するのは、耳鼻咽喉科の病気では珍しい、食事を中心とした生活改善によるめまいの新しい改善法です。

「ふらつきがなくなった」「足元がしっかりしてきた」「吐き気も消えた」「グルグルめまいも治った」――本書の方法で、実際にフワフワめまいに悩むたくさんの人がよくなっています。

今日からあなたも試してみてはいかがでしょうか。

著者紹介

坂田英明 (さかた ひであき)
川越耳科学クリニック院長。埼玉医科大学総合医療センター客員教授。1988年、埼玉医科大学卒業後、帝京大学医学部附属病院耳鼻咽喉科助手。ドイツ・マグデブルグ大学耳鼻咽喉科研究員、目白大学保健医療学部言語聴覚学科教授を経て、2015年に川越耳科学クリニックを開院。 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会専門医、日本小児耳鼻咽喉科学会評議員、日本聴覚医学会代議員、Neurootological and Equilibriometric Society副理事長、『The International Tinnitus Journal』編集長。

神崎 晶 (かんざき しょう)
国立病院機構 東京医療センター 感覚器センター 聴覚・平衡覚研究部 聴覚障害研究室室長。めまい相談医。1994年、慶應義塾大学医学部卒業後、静岡赤十字病院、静岡市立清水病院を経て慶應義塾大学医学部大学院に入学。2002年、大学院医学研究科修了(医学博士)。大学院在籍中にアメリカ・ミシガン大学クレスゲ聴覚研究所研究員、慶應義塾大学医学部耳鼻咽喉科専任講師(慶應義塾大学病院アレルギーセンター副センター長併任)を経て、22年より現職。

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このニュースに関するつぶやき

  • いや…白湯を飲むの前にまず口を濯ぐのが先だがな…(;・∀・)
    • イイネ!1
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