今年4月の衆議院東京15区補選で、他団体への選挙妨害があったとして逮捕・起訴された政治団体「つばさの党」代表の黒川敦彦氏らが11月6日、およそ半年にわたって勾留されていることは不当な人権侵害であり、違憲・違法だとして、国に2200万円を求める国賠訴訟を東京地裁に起こした。
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提訴したのは、黒川氏、幹事長の根本良輔氏(同補選に立候補し落選)。
この日、都内で記者会見を開いた黒川氏の妻で、党代表代理の外山麻貴氏(朝霞市議)は自民党の裏金問題を引き合いに「裏金議員で逮捕されたのは1人。しかも、すぐ保釈された。あとの議員は在宅起訴」として、黒川氏らの逮捕や長期勾留に疑問を投げかけた。
黒川氏の弁護人・代理人をつとめる趙誠峰弁護士らによると、黒川氏と根本氏らは、計3件の公職選挙法違反の罪で逮捕・起訴された。起訴後も保釈を2回求めたが、罪証隠滅の恐れなどを理由に裁判所から却下され、現在も勾留中だという。
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公職選挙法の刑事裁判は11月20日に第1回公判が予定されている。YouTubeに動画がアップされ、活動の事実は公開されている。これが同法における選挙妨害にあたるかは争う考えだ。
今回の国賠訴訟では、否認すると勾留が延長されたり、保釈が認められなかったりする「人質司法」の運用を問う裁判になるとしている。
「2回も保釈請求を却下した裁判所の判断が違法、憲法違反ではないかとして、身体拘束する必要はあるのかを問う裁判になる。司法の運用そのものを争う訴訟になる」(趙弁護士)
勾留中の黒川氏は袴田事件の書籍を読んでいるという。
黒川氏の妻の外山氏は、拘束を続けることは人権侵害だと強調する。
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「勾留という形で半年間も実質的な刑を下されて、自由を奪われている。黒川は都知事選にも出るつもりだったので、逃亡する理由もありません。証拠隠滅といっても、YouTubeにそのまま動画が残っています。私たちは動画を消してませんし、証拠隠滅どころか、全世界に公開しています」
選挙活動における黒川氏らの言葉遣いや電話ボックスに登るなどの言動について、外山氏は「もちろんやりすぎた面はありました」とするが、「そんなに重大な犯罪ですか」と疑問を投げかける。
そのうえで「都知事選や衆院選があったから勾留を続けたのではないか」と述べた。
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