中国の新疆ウイグル自治区でカザフ族の学者ら30人以上が逮捕されたと、アメリカ政府系のメディアが報じました。
アメリカ政府系の放送局「ラジオ・フリー・アジア」によりますと、中国の新疆ウイグル自治区で暮らすカザフ族の作家や学者、ジャーナリストら30人以上が今年の4月以降、国家分裂罪や民族の分裂をあおった罪などで逮捕されたということです。なかには政府関係者も含まれているということです。
テレビ局のカザフ語放送の担当者などが逮捕されているほか、カザフ語の新聞社は発行ができない状態に追い込まれたということです。
「ラジオ・フリー・アジア」は、今回の逮捕はカザフ族の知識人をターゲットにしたものではないかとの見方を伝えています。
新疆ウイグル自治区は、人口およそ2600万人のうち半数近くをウイグル族が占めていますが、カザフ族や回族などの少数民族も暮らしています。
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カザフ族は自治区のなかではウイグル族、漢族に続き3番目に多い民族で、138万人ほどが暮らしているほか、自治区に隣接するカザフスタン共和国にはおよそ1300万人あまりが暮らしています。
中国政府は、カザフ族がカザフスタン共和国とのつながりを深めたり、独立運動を行うことを警戒しています。
新疆ウイグル自治区で中国政府はウイグル族に対して宗教活動の自由を制限したり、漢族との同化政策を強いていると国際社会から批判されていますが、ウイグル族以外の少数民族に対しても厳しい監視の目を向けている実態が改めて明らかになった格好です。