【東京六大学野球・秋季リーグ戦】
● 早大 1 − 9 慶大 ○
<神宮>
「ドラフトに漏れて、あとは残すのも早慶戦だけだったので、本当に僕のすべてをかけて調整してきました」。
慶大・清原正吾内野手(4年・慶應)が9日、早大戦で4打数4安打1本塁打1打点の活躍を見せた。
『4番・一塁』でスタメン出場した清原は、1−0の初回二死走者なしの第1打席、先発・伊藤樹が1ボール2ストライクから投じた4球目のインコース高めをライト前に弾き返すと、続く1−0の4回一死走者なしの第2打席は、伊藤が1ボール1ストライクから投じた3球目をライト前に安打。
さらに2−0の6回一死走者なしの第3打席は、「真っ直ぐを捉えて、完璧な当たりでした」と、伊藤の初球を捉えると、打球はレフトスタンドに飛び込む本塁打。「あんまり覚えていないですけど、気持ちとしては『見たか』というところもあれば、ここまで育ててきてくれてありがとう、という気持ちも込めて(ダイヤモンドを)周りました」とスタンドで見守った現役通算525本塁打を放った父・和博氏に向かって指を差した。
大学通算1号は父、第2号は母へ本塁打ボールを渡したが、今回の3号は「弟です。彼もたぶん大学に入学できると思うんですけど、そこで僕のホームランボールが原動力になって、また大学生活を頑張ってもらいたいなと」と、弟にプレゼントする予定だ。
勢いの止まらない清原は、5−0の8回無死一塁の第4打席、2番手・越井颯一郎からライト前に安打を放ち4安打の大暴れ。この日は4安打中3安打が逆方向への安打。「僕の中でずっと課題にしていたところだったので。逆方向に3本いけたというのは自信になります」と振り返った。
大舞台で力を発揮する要因には「父親のDNAですね(笑)」と笑顔を見せた。
また、対戦相手の早大・小宮山悟監督は「右方向の打球は、ラッキーなヒットだったとは思いますけど、3点目のあの本塁打に関しては、素晴らしい本塁打でしたから、これはもう脱帽です。さらに言うと、流れの中でもやっぱり3点目がね。かなり重たい1点になってしまったので。あす以降、きょうのようなことがないように」と警戒した。
(取材=ニッポン放送アナウンサー・洗川雄司)