外国人材が日本を勤務先として選んだ理由1位は「日本文化やカルチャーに触れたい」だった。教育事業などを展開するヒューマンホールディングス(東京都新宿区)が、外国籍の309人を対象に実施した「日本での仕事観とキャリアに関する実態調査」で分かった。2位は「家族やパートナーが日本に住んでいるため」(15.5%)、3位は「治安や生活環境が良い」(13.9%)となり、生活する上での希望を重視している様子が見られた。
●日本で現実的に希望する目標年収「1000万円」以上の割合は?
日本で現実的に希望する目標年収額については「400万円〜500万円未満」(18.8%)が最も多く、4月に同社がZ世代を対象に実施した調査と同様の傾向が見られた。国税庁が発表した「令和4年分民間給与実態統計調査」から、平均年収458万円前後を目標にしている人が多いようだ。「1000万円」以上と回答した割合は20.7%だった。
日本での仕事の満足度については、「満足」と回答した人は31.1%、「やや満足」は19.1%と、50.2%が満足していた。一方で、「不満」と回答した人は7.4%、「やや不満」は10.7%で、不満に感じている人は18.1%いた。
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日本で働くメリットについては、2位以下に大差をつけて「治安や生活環境が良い」が最も多く、309人中126人が回答した。2位は「給与」(62人)、3位は「長期雇用の文化」(60人)となった。また、「雇用の安定性が高い」など、日本的な雇用慣行や企業文化も支持されているようだ。
自国や他国と比較し日本の労働環境で優れていると感じる点については、「福利厚生」と「ない」(37人)が同率1位となった。「仕事の安定性」(36人)、「社会保障制度」(35人)、「安全な労働環境」(34人)、「長期雇用の文化」(32人)が、ほぼ同数で上位に入った。
一方で、自国や他国と比較し日本の労働環境で改善するべきだと感じる点については、「ワークライフバランス」と「給与」が多く挙がった。労働環境は整えられていても、労働時間や対価に不満を感じている状況がうかがえる結果となった。
日本で働く際のストレス要因については、「言語の壁」(113人)と回答した人が最も多かった。次いで、「コミュニケーションの難しさ」(77人)、「給与」(70人)、「労働時間」(69人)が続いた。労働時間や対価に不満を感じている状況がうかがえる結果となった。
日本で転職する場合に重視することについて、1位が「給与」(183人)、2位が「労働環境」(103人)、3位が「勤務地」(88人)だった。また、「日本の労働環境で改善すべきと感じる点」や「日本で働く際のストレス要因」においても「給与」が上位に挙げられており、外国人材が日本で働く際に給与が重要な条件として重視されていると分かる。
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調査は、同社のグループ会社であるヒューマングローバルタレントが運営するバイリンガル人材向けの転職サイト「Daijob.com」に登録し、現在日本で働いてる、または過去に日本で働いた経験がある外国籍登録者309人を対象にインターネットで実施した。調査期間は9月26日〜10月3日。
(小松恋、アイティメディア今野大一)
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