オーストラリア政府が、16歳未満のSNSの利用を禁止する法案を今月末にも議会に提出することになりました。違反した場合は、事業者に罰金が科せられるということです。
オーストラリア 16歳未満のSNS利用禁止へ南波雅俊 キャスター:
オーストラリアの新たな法案、そして日本のSNS事情についても見ていきたいと思います。まずはオーストラリアからです。オーストラリアの首相が16歳未満のSNS利用“禁止”の法案を11月末にも議会に提出するというふうに話しました。可決したら1年後の施行を目指しています。
対象となりうるSNSは、Facebook、Instagram、X、TikTok。オーストラリア政府としてはアクセスを遮断するシステムを今、開発中だということなんです。これが可決されたら、国としての厳しいSNSの年齢制限というのは世界で初めてということになります。
オーストラリアのアルバニージー首相は「これは母親や父親にとって大事な法案。子供たちに害を与えているソーシャルメディアに終止符を打つ」と発言しています。
今回ポイントなのは、親の同意があっても禁止というところです。アメリカの一部の州などでは親の同意があれば使える。逆にない場合は使えないという州はあるんですけれども、今回、親が同意しても、これはもうだめだと、一律だめだというようなことになるわけなんです。
というのも、オーストラリアではSNSのいじめや犯罪というのが社会問題になっていまして、実際に命を落とした事例というのも複数あるということなんです。
もし違反した場合ですが、子供や保護者には罰則がないということ。一方で事業者に対して高額の罰金ということで、例えばインスタグラムを運営するメタ社などはこれに反対をしているというのが今の現状です。
専門家の声です。このSNS利用の禁止法案について、文教大学の池辺正典教授に聞きました。
期待できること。事業者側としても以前から13歳未満の利用を制限していました。今回オーストラリアが禁止するXなどのSNSは13歳未満禁止なんですけど、年齢を偽って登録するなどして守られていなかった。ただ今回法案にすることで制約を入れやすくなる。
懸念点としては、国で規制しますと、子供が親とともにSNSの危険性を学ぶ機会が失われてしまうのではないかと。ですから、大人になってからより深刻な被害に遭う可能性もあるのではないかというところを指摘しています。
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ホラン千秋 キャスター:
松田さんはお子さんいらっしゃいますけれども、このSNSの危険性について、親の立場で子供を見守るっていうところについて、どのようなお考えをお持ちですか?
元競泳日本代表 松田丈志さん:
やはり我々人類の長い歴史から考えたら、SNSって生まれてまだ本当に間もないわけなんで、我々も向き合い方はどうしていいかわからないところがあって。スポーツ界もSNSを通じた誹謗中傷なんかがパリオリンピック™でも非常に問題になりましたけど、やはりどうしていいかわからない部分がまだあって。
だからこそ一つの事例として、まずオーストラリアが世界初、国として規制をするという試みは、仮にやったとしたら、どういう結果が現れるのか非常に見てみたいというか、一つの事例として興味があるなというふうには思ってますね。
あと今あった懸念点で言うと、子供が親とともにSNSの危険性を学ぶ機会っていうのは、今回はあんまり僕は当てはまらないかなと思って。例えばお酒が飲める年齢が決まっているように、その年齢があれば、その前後にきちっとその教育をするっていうことで対処はできるんじゃないかなと思ってますね。
井上キャスター:
要するにタバコとか運転免許とかと同じですよね。年齢制限をかける方向性に私も個人的には賛成なんですけど、例えば年齢確認、本人確認をするシステムはどうするんだろうか、抜け道ってどうやって防ぐんだろうか。いずれにしてもプラットフォーム側に強く出るのは私は賛成なんですけど、オーストラリア政府がアクセスを遮断するシステムって具体的に何か出てるんですか?
南波キャスター:
現状、IDを国民全員に配布して、そのIDを入力しないとオーストラリアではSNSに登録できないようなシステムを考えているそうです。
南波キャスター:
日本に話を移していきます。若者のSNS利用、例えばオーストラリアですと10代で97%が使ってるということなんですが、日本では、10代ではなく中学生の96%、2022年の88%からまたさらに増えてきているということです。
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SNSの被害について、2014年から2023年に関しては、これだけ普及しているということを考えれば、数自体はそこまで増えていないというふうにも感じるかもしれないんですが、小学生の被害がかなり今、数としては増えてきていると。
具体的な例としては、オンラインゲームで性的な画像を求められたり、最初優しく声をかけられ信用して会って監禁されるというような犯罪の被害も今増えてきているということです。
井上キャスター:
闇バイトもありますからね。
元競泳日本代表 松田さん:
そうですね。やはりSNSを通じてそういう犯罪に巻き込まれてしまう可能性ありますから。私も親として子供が小学生ですけど、やっぱり高学年になったらスマホ欲しいなんて言ってたりしますし、今後どうやって向き合っていくのかは考えていかなきゃいけないなって思ってますね。
ホランキャスター:
犯罪だけでなく心を病んでしまったり、命を絶ってしまったり、そのきっかけにSNSがというケースもありますので、やはり真剣に考えていかなきゃいけない問題だなと思いますよね。
井上キャスター:
いい面もあるんですけどね。
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<プロフィール>
松田丈志さん
元競泳日本代表
五輪4大会出場 4個のメダル獲得
JOC理事 宮崎県出身 3児の父