独身アラ還の恋バナはイタい?「LINEって嘘つきなのかな」と乙女みたいに泣く実母は61歳

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2024年11月13日 22:11  All About

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「アラ還」女性が恋愛事情を語るのは、イタいものだろうか。相手からのLINEに一喜一憂したり、マッチングアプリで出会いを求めたり……、実母の様子を娘たちはため息交じりに語るのだ。
アラ還女性である元局アナが自身の恋愛事情を語り、「相手からLINEが来なくて泣いたりしている」と表明、これにネットでは「イタい」「ドン引き」という声が上がっていた。

「独身だし、心身ともに余裕があるから恋愛できるのだろう」という引いた意見もあったが、独身アラ還の恋愛は人に言うと品がないと思われるのだろうか。

61歳、実母の恋が「本当にイタい」

「話題になっていた女性アナウンサーと同い年のうちの母が今まさに恋していて、娘の私から見ると、本当にイタいんですよ」

アキコさん(33歳)はため息をついた。61歳の母は、5年前に夫を亡くして一人暮らしをしている。アキコさんは大学時代から実家を離れ、すでに15年、一人の生活だ。

「恋愛しても、私はあまり夢中にならないタイプなんですよね。相手にはまったところで、しょせん相手は私じゃないから、何を考えているかわからない。そんな対象に自分を没入させても虚しいだけというのが私の恋愛観」

ところがこの春、実家に戻ってみたら、母がやけにそわそわしていた。泊まっていくの、いかないよね、今日中に帰るよねと矢継ぎ早に聞いてくる。

「何か予定があるのか聞くと、『明日、朝からドライブに行くから』と妙に照れながら言うわけですよ。なに、相手はボーイフレンド?と聞くと、えへへって。嫌な予感がしたんですよね」

母だって独身だから好きなように生きればいいとは思っていたが、その母からたびたび連絡が来るようになった。「彼がとてもおいしいフレンチレストランに連れて行ってくれた」だの「カラオケで彼とオールしちゃった」だの。若者言葉を使うのはやめてほしいとは思ったが、母が幸せならそれでいいと、アキコさんは放置していた。

「LINEって嘘つきなのかな」と泣く母

「様子が変わったのは夏頃ですね。電話で話していたら『LINEって嘘つきなのかな』と言うんですよ。『既読がつくのに返事が来ないということは、既読じゃないのよね』って。あ、それは読んだけど返事はしてないってことだよと言うと、急に涙声になって……」

半分うんざりしながらも、数日後、実家に行ってみると、母はベッドに潜り込んでいた。起きる気力もないと言って、げっそりしている。

「見てよ、既読にならなくなったというんです。もうね、この恋はやめた方がいいってことだねとはっきり言いました。ついでにやりとりを見たら、母が『私を捨てないで』『あなたの行きたがっていた温泉に行こうよ。旅費は私に任せて』なんて書いてある。もうやめなさい、彼は逃げたんだよと言うと、母は号泣。

さすがにそういうみっともない姿を見たくなかったので、買い出しに行って冷蔵庫と冷凍庫に食べ物を詰めて帰ってきました」

その後、母が連絡してきて、相手は既婚者だと白状した。振ってもらってよかったじゃない、奥さんに訴えられても文句言えないんだよというと、母は「そうなんだ」と他人事のようにつぶやいた。

「元気なのはいいけど、乙女みたいな恋愛感情をまき散らさないでほしいです」

アキコさんは怒ったような困ったような表情でつぶやいた。

70歳の母に紹介された“彼氏”がおかしい

「半年ほど前、北関東に住む母が『ちょっと東京まで行くから会えない?』と言うんです。うちに来ればというと、どうしても外であなたにだけ会いたいと。何か切羽詰まった事情でもあるのかと夫に子どもたちを託して、土曜の夜、出かけました」

ミナさん(43歳)には10歳と6歳の子がいる。夫は「なんだか心配だな。何かあったらすぐ電話して」と送り出してくれた。

「指定されたレストランに行くと、70歳の母が、こっちこっちと手招きして。ふと見ると男性と一緒なんです。しかもどうやら相手はけっこう年下っぽい。母は彼にしなだれかかるように座っていました」

紹介された人は母より一回り年下。恋人なのと母は堂々と言った。だがその瞬間、彼の表情が微妙に変わっていたのをミナさんは見逃さなかった。

「あなたはそうは思ってないでしょと彼に言うと、彼が『いや』としどろもどろ。じゃあ、母と結婚を考えてますかと尋ねたら、また、それはその……ともごもご。それから食事をしながらいろいろ話したんですが、どうも男の様子がおかしいんですよ」

それというのも、彼が最初に差し出した名刺に原因があった。ある企業名が書かれていたのだが、その会社はたまたまミナさんの勤務先と取り引きがあった。その企業は1年ほど前に他社と合併、移転したのを彼女は知っていた。

70歳の出会いがマッチングアプリだった!?

「しばらく話してから、御社は移転されましたよね?と私が言うと、彼はまたもしどろもどろ。どういうつもりなんですかと言ったら、彼は何も言わずに逃げ出しました。お金を貸したりしてないでしょうねと母に確認すると、まだデートするようになったばかりなの、会うのは今日が3度目だって。

家も知られていないというから一安心したんですが、何が目的で母に近づいたのか。奥さんを亡くして寂しいっていうから、私も夫を亡くしたんですっていうところから話が合ったのって。なにそれ、マッチングアプリ?って聞いたらそうだって。70歳もマッチングアプリをする時代なんですね……」

男友達を作るのは悪いことじゃない、恋もいい、だけど素性が分からない人と会うのはやめてと、ミナさんは母に説教をした。

「でも母の言葉が心に残りました。『私はお父さんとはお見合いだったし、恋というのものをしたことがないの。このまま死にたくないって思ったのよ』と。だからマッチングアプリをやってみた、周りの女友達に教えてもらったって。

母は今もパートで仕事をしているし、友達もいるし趣味もある。しかも70歳。それでも恋をしたいんですね。娘であっても人の心は分からない。高齢になりつつある母の気持ちなんて、私にはまったく分からないものなんだなと痛感しました」

いくつになっても恋をしたい人はいる。だがこのご時世、確かに相手選びに気を付けてもらわないと、子ども側は心配でたまらない。

亀山 早苗プロフィール

明治大学文学部卒業。男女の人間模様を中心に20年以上にわたって取材を重ね、女性の生き方についての問題提起を続けている。恋愛や結婚・離婚、性の問題、貧困、ひきこもりなど幅広く執筆。趣味はくまモンの追っかけ、落語、歌舞伎など古典芸能鑑賞。
(文:亀山 早苗(フリーライター))

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  • アラ還の恋バナは痛くない。微笑ましい。アラ還の自分本位の押しつけと、常識のなさが激痛。
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