イトーキに近く警告へ＝委託業者への料金未払いか―公取委

　オフィス家具の配送などを委託する運送事業者に時間外業務の料金を支払わなかったなどとして、公正取引委員会が近く、独禁法違反（不公正な取引方法）の疑いで、東証プライム上場の事務家具大手イトーキ（東京都中央区）に対し、警告を出す方針を固めたことが１９日、関係者への取材で分かった。

　関係者によると、イトーキは家具の運送や組み立てなどの作業を数十の業者に委託。繁忙期にトラックの運転手が契約していた時間を超えて働いた分の料金を支払っていなかった。また、イトーキの物流拠点での家具の積み込み作業や、配送に使用した梱包（こんぽう）材を同拠点に引き渡す作業を無償で行わせていたという。

　独禁法では、荷主による優越的地位の乱用を規制する「物流特殊指定」を規定。公取委は今回、同指定で禁止する「不当な経済上の利益の提供要請」に該当する恐れがあると判断したとみられる。同指定に基づく警告は１５年ぶりとなる。運転手の時間外労働規制強化に伴う「物流の２０２４年問題」を巡り、公取委は荷主と業者による取引が適正に行われているか監視を強めている。

　イトーキは自社ホームページで、「調査を受けていることは事実で、全面的かつ真摯（しんし）に対応している」とのコメントを発表した。