かつて「サル痘」と呼ばれ、アフリカを中心に世界中で感染が広がる「エムポックス」。多くの子どもの命が奪われる中、日本のワクチンに期待がかかっています。
コンゴ民主共和国で病院のベッドに横たわるディヴィーヌさん(10)。
記者
「エムポックスウイルスの特徴なんですが、感染すると彼女の腕のように発疹がぶつぶつと出てくるんです」
数日前、発熱とともに体中に発疹ができ、エムポックスと診断されました。
ディヴィーヌさん
「10歳です。熱があるんです」
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コンゴ民主共和国では、より重症化しやすいタイプのエムポックスウイルス「クレード1b」の感染が急速に広がっていて、今年1万4000件以上の感染例が報告されています。
そして、WHO=世界保健機関の調査では、今年5月までの死者のうち6割が5歳未満の子どもでした。
ユニセフ保健緊急事態対応担当 ダグラス・ノーブル氏
「当初から最も懸念していたことのひとつは、子どもたちの死亡率です。子どもは遊ぶ時に皮膚と皮膚が接触するため、感染が広がりやすいのです」
こうした中、注目されるのが日本製のワクチンです。
WHOは19日、日本のKMバイオロジクスのワクチンの緊急使用を承認したと発表しました。このワクチンは子どもに使用することができるとして期待されています。
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ヴィジャナ病院 ジェリー医師
「この病院でもすでに3人の子どもを看取りました。2人が生後10日、もう1人は9か月未満の子どもでした」
子どもの命を奪うエムポックス。世界的な感染拡大を食い止めるためにも、日本への期待が高まっています。