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歌舞伎俳優市川團蔵さんが亡くなったことが23日、松竹から発表された。73歳だった。
誤嚥(ごえん)性肺炎による敗血症性ショックで、19日午前7時36分に死去した。親族で密葬を執り行ったという。
團蔵さんの祖父は八代目市川團蔵。1956年(昭31)5月歌舞伎座「義経千本桜」の六代君で、初代市川銀之助を名乗り初舞台。その後二代目尾上松緑に師事した。87年5月歌舞伎座「時今也桔梗旗揚」の武智光秀ほかで九代目市川團蔵を襲名。日本舞踊柏木流十代目宗家も兼ねた。菊五郎劇団の重鎮として無くてはならない存在だった。
劇団以外の芝居でも、先人を敬う生き方も含め、後輩の指針となる存在だったという。堂々とした風格とよく通る声を持ち「義経千本桜 大物浦」の武蔵坊弁慶、「毛抜」の八剣玄蕃、「髪結新三」の弥太五郎源七、「河内山」の北村大膳、「魚屋宗五郎」の父太兵衛、「直侍」の暗闇の丑松など、荒事、実事、敵役から老け役までこなし、貫禄と滋味の深まった演技で舞台を盛り立てていた。国立劇場養成事業の歌舞伎俳優研修の講師も務めていた。
最後の舞台は5月の歌舞伎座「四千両小判梅葉」隅の隠居。00年第十九回眞山青果賞奨励賞。
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