11月17日投開票の兵庫県知事選で再選した斎藤元彦氏(47)。現在も百条委員会で調査が続くパワハラ疑惑などで、県議会から不信任決議を受けたことによる出直し選を制したものの、新たに“公職選挙法違反”の疑惑が浮上している。
発端となったのは、兵庫県西宮市のPR会社「株式会社merchu(メルチュ)」の折田楓社長(32)が、11月20日にブログサイト「note」に公開したコラムの内容だ。折田氏は《今回広報全般を任せていただいていた立場》と前置きしたうえで、斎藤氏の選挙活動におけるSNS運用などに関する内幕を一部紹介していた。
総務省のガイドラインでは、選挙運動用サイトなどに掲載する文案を業者に主体的に企画させた場合、業者への報酬は「買収となるおそれが高いものと考えられる」としている。ただ、斎藤氏は25日の囲み取材で、折田氏は「ボランティアとして個人で参加された」と話しており、斎藤氏の代理人弁護士も折田氏のnoteの内容を「盛っておられると認識しています」と説明している。
それでも、折田氏が選挙カーで演説する斎藤氏を傍で動画撮影する様子がXで拡散するなど、疑惑を追及する声はやまない。いっぽう、PR会社の公式HPからは過去の実績や会社の電話番号が削除されたほか、折田氏のFacebookも過去の投稿が削除されているなか、ここにきて新たな“動き”が注目を集めている。
「兵庫県の公式HPでは県内で働く移住者を紹介する『兵庫県にUJIターンした5人』という特集が定期的に組まれており、その第5弾となる記事がトップページに掲載されていました。そのなかには、兵庫にUターンし、merchuで働く女性社員が紹介されていたのですが、記事が11月28日までに削除されていたのです。選挙活動におけるPR会社と斎藤知事の関係が取りざたされているタイミングということもあり、Xでは《 問題がなければ、何も削除する必要はない》《なぜ、削除したんやろ?》といった疑問が起こっていました」(全国紙社会部記者)
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一体なぜ記事が“削除”されたのか。本誌が29日に兵庫県広報広聴課に問い合わせたところ、担当者から話を聞くことができた。
担当者はまず、特集ページについて「トップページの特集記事は定期的に差し替えをしております。震災(阪神淡路大震災)の1月17日を控えていることから、防災関連の記事を特出しすることになり、記事の差し替えを行ったというところです」と説明。
ただ、PR会社の社員を紹介したページは、URLそのものが削除されている。その点について、以下のような回答があった。
「PR会社の方から公開を控えて欲しいという旨の連絡がありました。もうひとつ、ホームページの画像が切り取られて、ネット上で憶測を呼んでいるというご意見が県民の方からあったので、そういったところを総合的に考えて非公開としました」
PR会社からは、記事の非公開を求めた理由は伝えられなかったという。なお、斎藤氏側はPR会社と“連絡を取っていない”と説明していたが、担当者は「知事の動きは承知していません」とした。
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そもそも、削除された特集記事は、どのような経緯で公開されたのか。Uターン就職などに関する部署・労政福祉課の担当者は、以下のように話した。
「記事の作成につきましては、民間企業に委託しております。(記事で紹介する企業は)民間企業の選定にはなりますが、(県の)選定基準としましては、(特集記事の5人のうち)男女比が2:3になるように、あとは5名ごとに地域がバラバラになるように選定しています」
そのうえで、担当者は“県側からPR会社を取り上げるよう委託先に働きかけた事実はない”としている。
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