◆ 右膝の大ケガを乗り越え新天地で才能開花
日本ハムのファンフェスティバルが11月30日にエスコンフィールドで行われ、齋藤友貴哉投手(29)が来季の守護神に指名された。
新庄剛志監督は同フェスのフィナーレで、開幕投手(金村尚真)、ホーム開幕投手(伊藤大海)、開幕4番(野村佑希)を次々にサプライズ発表。そして最後に「続きまして、抑えを齋藤友貴哉!」と指名し、斎藤は驚きながらも「来年、抑えやります。抑えます!」と叫び右手を突き上げた。
指揮官は「いまのコメントを聞くと不安なので、もうひとり。田中正義!」とダブルストッパー構想を表明。田中は「友貴哉に負けないように、抑えます!」と“被せ”、ファンの笑いを誘った。
齋藤は山形中央高、桐蔭横浜大、社会人・Hondaを経て2018年のドラフト4位で阪神に入団。150キロ後半の剛速球を武器に阪神での4年間で45試合に登板したが、同年10月に2対2のトレードで江越大賀とともに日本ハムへ移籍した。
新庄監督は「抑え行けますね。可能性がものすごくある選手だと思う」と齋藤のポテンシャルを早くから評価。しかし、2023年の春季キャンプ初日の紅白戦で右膝前十字靭帯断裂の重傷を負い、同シーズンは登板なしに終わった。
長いリハビリを経て今年5月1日の西武戦で移籍後初登板。同12日のロッテ戦で移籍後初勝利を挙げ、これが一軍では1080日ぶりの白星となった。8月27日の楽天戦では自身の失策などで招いた無死満塁の大ピンチを無失点で切り抜け、優勝したかのようなド派手なガッツポーズを披露。これに対し新庄監督が「登録名を さいこう・ゆきや に変更させてもらいます」と自身のインスタグラムで“イジり”話題を呼んだ。
10月5日の楽天戦ではプロ初セーブをマークするなどチームの2位フィニッシュに貢献。レギュラーシーズンでは自己最多の25試合に登板し1勝1敗1セーブ、5ホールド、防御率1.71、奪三振率8.54の好成績を残し、クライマックスシリーズでもソフトバンクと対戦したファイナルステージ第3戦で1回パーフェクト救援を披露した。
終わって見れば7月20日のロッテ戦から、CSでの2登板も含め15試合連続無失点のままシーズン終了。登板を重ねるにつれ課題の制球面も安定し、レギュラーシーズンはラスト7試合連続で無四球だった。
右膝の大ケガを乗り越え、改めてポテンシャルの高さを示した新クローザー。フル稼働が期待される2025年シーズンが今から楽しみだ。