【ワシントン時事】米ブルームバーグ通信は10日、バイデン米政権が、日本製鉄による米鉄鋼大手USスチール買収を阻止する方針だと報じた。安全保障上の懸念があると判断した。正式に阻止されれば、日鉄とUSスチールは法的措置を取る可能性がある。関係者の話として伝えた。
買収計画は、米政府の対米外国投資委員会(CFIUS)が安保上の観点から審査しており、月内に期限を迎える。報道によると、CFIUS内で安保上のリスクがあるとの見方が出ている。
10日の米株式市場ではUSスチールの株価が急落、前日終値比で一時20%超安となった。
日鉄は声明で、USスチール買収計画が「最善の道だ」と強調。「公正な結論を得るため、あらゆる手段を検討し、講じる」と述べ、法廷闘争も辞さない構えを示した。
ホワイトハウス当局者は、CFIUSからの勧告は受け取っていないとしつつ、「バイデン大統領は、USスチールは国内で所有され、運営されることが不可欠との立場だ」と述べた。