JNNの世論調査で、石破内閣の支持率が3・32ポイント上がって42・1%だったことが報じられた。発足直後には支持率が46%あったものの、組閣時の集合写真で「だらしない」と批判され、外交デビューとなった11月のAPECでは、各国の首脳と座ったまま挨拶したことがマナー違反と炎上し支持率は下落。上がる要素があるようには思えないのだが、
「支持率は少数の幅で上がったり下がったりが、これからも続くと思います」
とは、政治評論家の有馬晴海さん。
流動的な国民層
「一定数、5%から7%くらいの幅で、石破さんに対しての評価を決めかねている層がいるんです。例えば、外交の場で座ったまま各国首脳と握手すれば“それはダメ”となるけど、国会の答弁を聞いていると“野党にも丁寧に答えている”と評価が上がる。この層が流動的なので、何かのきっかけで支持率が上下しているんです」(有馬さん、以下同)
自民党総裁選挙前、国民からの支持が高かった石破首相。有馬さんは以前の安倍政権のときを振り返り、こう続ける。
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「自民党の支持者たちは、安倍さんのリーダーシップについては評価していましたが、強権的な面については“おかしい”と思っていたんです。そんな中、自民党で安倍さんに歯向かっていたのはある意味、石破さんだけ。
安倍政権の後を継いだ岸田さんには、“何をやりたいのかわからない”という評価を国民が下し、安倍さんに対抗していた石破さんなら何かやってくれるのでは、という期待があったんだと思います」
かつては“党内野党”
総裁に選出されてから、何かやってくれるといった“石破カラー”が期待されたが、
「“野党が組む前に選挙をやったほうがいい”と自民党内の声に負けて選挙に突入しました。これに対して“結局、石破さんも古い自民党のやり方か”と失望した有権者に背を向けられて選挙で負け、少数与党になったわけです。
私の周りで聞こえてきたのは“自民党のトップになればあんなものだ”という声。そういった期待外れだったという思いがある一方で、それでも石破さんならやってくれるのでは、と思っている人もいます。それが先に話した5%から7%くらいの層なんです」
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石破内閣には『103万円の壁』や『選択的夫婦別姓』、『旧文通費』の問題など、解決していかなければならない問題が山積み状態。そして、不支持率は52・4%と支持率を上回ったままだ。
「支持率がドカンと上がることは、今のところないでしょう。爆発的に上げるためには、石破さんの考えをどんどん打ち出すこと。安倍政権のときには“党内野党”なんて言われていた石破さんなので、野党と一緒になって政治改革を進めていけば世間の評価は上がります。
でも、そこまでは自民党が許さない。財源をめぐって財務省も黙っていないでしょうし。そんな“旧勢力”が金縛りにさせているわけです。石破内閣がこれからどうなるかは、来年の参議院選挙までに支持率がどれだけ上がるかにかかっているでしょう」
“浮動票”の5%から7%の層プラス、不支持に回っている人の心をどれだけ動かせるのか? 石破首相の正念場であることは間違いない。
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