生かされた命、「家族の分も」=つらい日々、懸命に前へ―妻子4人亡くした大間さん・能登地震1年

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2024年12月27日 07:31  時事通信社

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能登半島地震で亡くした家族の写真を見詰める大間圭介さん=7日、金沢市
 能登半島地震は来月1日で発生から1年を迎える。金沢市に住む石川県警の警察官大間圭介さん(42)は、地震で妻子4人を亡くした。時間の経過とともに喪失感が押し寄せ、つらさが増すこともあるが、「妻と子どもたちが犠牲になって自分が生かされた。自分一人ではなく、家族の人生も歩んでいる」と懸命に前を向こうとしている。

 1年前は石川県珠洲市にある妻はる香さん=当時(38)=の実家に一家で帰省していて被災。裏山が崩れて妻と長女優香さん=同(11)、長男泰介君=同(9)、次男湊介ちゃん=同(3)=だけでなく、義父母ら計9人が犠牲となった。

 当たり前にいるはずだった家族がそばにいない。孤独を痛感する日々が続いた。被災直後は「仕事にも行かず、自宅でずっと家族のことばかり考えていた」。子どもたちが書いた手紙や絵などを入れた「宝箱」を見返しては、家族を感じて涙が止まらなかった。

 ただ、家族のモットーは「チャレンジすれば、絶対できる」。優香さんと泰介君が努力を重ね、小学校のマラソン大会で目標の順位を達成した姿を思い出した。大間さんも仕事に復帰する傍らで走り込みを重ね、10月の金沢マラソンに出場。妻子4人の写真をユニホームに付けて42.195キロを完走した。目標だった自己ベスト更新はならなかったが、「よく頑張った」と家族から言われた気がした。

 表面的には仕事と家事を繰り返す「代わり映えのない1日」になりつつある。それでも、地震直後より深く落ち込む時もあるといい、時折見返して家族との思い出を振り返っていた写真を、最近は1人で見ることができなくなった。

 一方で「自分が生き残ったことは当たり前ではない。人生を無駄にはできない」との思いもある。家族の遺影に日々の出来事を報告する際は、「生かしてくれてありがとう」と感謝の言葉を欠かさない。

 マラソンを終え、次の目標を探しているという大間さん。「自分のしたいことよりも、妻や子どもたちがしたかったこと、行きたかったところを含めて決めていきたい」。目を潤ませながらも、穏やかにほほ笑んだ。 

目を閉じて家族との思い出を語る大間圭介さん。食卓には常に在りし日の写真が置かれている=7日、金沢市
目を閉じて家族との思い出を語る大間圭介さん。食卓には常に在りし日の写真が置かれている=7日、金沢市


能登半島地震で亡くなった家族との思い出が詰まった「宝箱」を開け、子どもからの手紙を手にする大間圭介さん=7日、金沢市
能登半島地震で亡くなった家族との思い出が詰まった「宝箱」を開け、子どもからの手紙を手にする大間圭介さん=7日、金沢市

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  • 断捨離は自分の意思と、決意で行うもの。他律的に強いられた時ほど、つらいものはない。
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