「災害情報、複数ソースで確認を」=専門家、SNSだけの判断禁物―能登地震では偽救助要請も

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2024年12月30日 07:31  時事通信社

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災害時のSNS上のデマについて説明するスペクティの村上建治郎社長=11月28日、東京都千代田区
 能登半島地震ではSNSで偽の救助要請が拡散され、警察が出動する事態も起きた。デマに踊らされないためにはどうすればいいのか。専門家は災害時の情報の真偽は「SNSだけで判断せず、複数のソースで確認する必要がある」と訴える。

 同地震では、発生当日から存在しない住所を記した「助けてください」という救助要請の投稿や、別の災害の画像を使った投稿がX(旧ツイッター)で拡散された。Xが閲覧数(インプレッション)によって収益を得られる仕組みだったことが影響した可能性を指摘する声もある。

 SNS投稿を収集し、自治体などに情報提供する「スペクティ」(東京都千代田区)は、気象庁などのデータと照合し、被害投稿と地震情報などの関連を人工知能(AI)と人間の目で確認する。村上建治郎社長は「自衛隊が言っていた」という権威を利用した文言や、住宅の水没などインパクトの大きい画像は「デマ拡散を狙う人が利用することが多いので疑った方がいい」と警鐘を鳴らす。

 一方、「巧妙につくられたデマを一般人が見破るのは難しい」とも。「SNSの情報だけで判断せず、複数のソースに当たり調べる癖をつけることが大切。気象庁などの公的な情報や報道機関のニュースを確認してほしい」と話す。

 ITジャーナリストの三上洋さんは「投稿そのものより、その前の投稿やプロフィルを確認することで見抜けることが多い」と語る。従来は外国語でしか投稿していなかったり、他人が撮影した画像ばかり投稿していたりするアカウントはデマの可能性が高いという。

 災害時のデマはSNSの誕生以前から存在する。1923年の関東大震災では「朝鮮人が井戸に毒を入れた」などの根拠のないうわさが広まった。

 三上さんは「災害時には必ずデマが発生するという心構えでいることが重要」と指摘。「SNSで発生したデマはすぐに検証され、SNS上で否定されることもある。ただそれが避難所などで伝聞により広まると収拾がつきにくくなる。不確かな情報は人に伝えないことが大切だ」と強調している。 

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  • 災害時におけるSNSの約束事3つ。救助要請は拡散しない。救助されたら当人は投稿を速やかに削除する。そして最も大切なこと、デマを流さない
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