パチンコホールというものは、地域によって営業時間が微妙に異なる。が、基本的には朝9時とか10時に開店し、それから22時すぎぐらいに閉店するものである。
パチンコホールという遊技施設は、24時間営業をやっているアミューズメント施設ではないということだ。しかし何事にも例外がある。伊勢神宮のある三重県では、年末から正月にかけて、全国各地から初詣参拝をする人々が殺到する。
そのため、三重県のパチンコホールは、そういった参拝目的の人々の休憩所確保というか、トイレを開放するというお題目を掲げて、毎年オールナイト営業をやっているのだ。
このような延長営業は三重県以外には事例がなく、店舗によっては36時間ぶっ続け営業を試みる剛毅なホールまで見受けられる。当然のことではあるが、遊技客のために店を営業しているという理屈ではないため、基本的には回収営業となる。
が、パチンコというのは依存症が支えている業界である。三重県では年末年始でパチンコをぶっ続けで打てるという噂が噂を呼び、いつからか三重県のオールナイト営業目当てで集まる人々も発生するようになったのだ。
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今年も、どうせ負けるのに、なぜか三重に焦がれる依存症のパチンコ・パチスロファンが続出している。（文：松本ミゾレ）
オールナイト営業で戦うため軍資金を用意した猛者、登場！
三重県のオールナイト営業は、パチンコユーザーのためのものではないというのは、前述の通り。あくまで伊勢神宮目当ての参拝客への、駐車場の提供、トイレの提供のために店を開けているという理屈が前提。
しかしこういうのはあくまでも建前であって、実際には現地のホールにとって、これはもう、なかなかに大きな稼ぎ時とも言える。その証拠に、これまでにオールナイト営業中にパチンコ動画の演者やらなにやらを、わざわざ三重県に呼び寄せているホールも存在していた。わざわざイベントめいたことをやるぐらいには、現地のホールも収益を見込んでいるわけだ。
つまり三重県の延長営業とは、還元率こそ低いものの、これはもう立派なイベントなのである。当事者がいくら否定しようと。
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そして何より、ユーザーたちがそのように射幸性の高いイベントまがいの延長営業に期待をして、実際に県外から集まっているのである。
例えば24年の11月にも「ワイ大学生、三重のパチ屋のオールナイト営業に行く為にバイトで30万貯める」というスレッドが立っていた。この大学生は栃木県民ということで、交通費と食費を差し引き、実際には20万ぐらいは失ってもいいと思って三重県に向かうんだそうな。わざわざ三重県に。
で、この原稿は12月30日の夜中23時半に書いているので、まさにこの時間には、スレ主も三重県入りをしているのだろう。予定に狂いがなければ。そしてまさしくこの時間帯には、三重県の各地に全国から集まった依存症ユーザーが右往左往しているのだ！
もっとも、彼は負けるつもりは一切ない様子で「みんな負けるのが前提で話してるけど万枚出しとる店もあるんでしょ？ ワイはその１人になるんや」と書き込んでいる。やる前から負けること考える奴いるかよって猪木も言ってたからね。まあ、威勢がいいことです……。
でも、オールナイトで勝てる人って本当に普段より輪をかけてさらに少ないはずなので、僕だったら絶対三重県なんか目指さないなぁ。設定1の台しかないだろうし。あと普通に寝て過ごすほうがいいですよ、正月は。
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不眠不休で調整が厳しい遊技台を打つって、相当な拷問では…
三重県で延長営業をするパチンコホールの、本当にほとんど全ては回収に走るはずというのは、これはもう当たり前の話である。ただでさえ夜中に開けていれば普段より電気代もかさむわけだし、正月なのにパチンコのことしか頭にない、しかも他県から来たような人を大事に扱っても仕方がないので。
だから設定も低く、釘も渋い。そんな台ばっかりなんだよね。どうせ。僕は三重県のオールナイトに出向いたことはないし、死ぬまで行かないけど、友達には数人、現地の空気を味わった者がいる。
そういう、延長営業を実際に体感してきた友達の感想なんか聞いてると、とてもじゃないけど打つ気にはなれない。やっぱり、台を確保してぶん回そうとしても、ある程度遊んでるうちにすごく疲れて、しんどくなるのだそうだ。
設定が入ってたり、釘がぐるぐる甘釘調整ならまだしも、そうじゃないわけだから余計にしんどいのだろう。
で、結局駐車場で寝たりしてるうちに正月気分も失せてしまい、重い足取りで自宅に戻る羽目になるのだとか。勝っててもこうなるみたいなので、財布の中身の増減以前の話なんだろうね。
まだ若くて、大学生とかなら思い出づくりの一貫で出向いてもいいかもしれないけど、勝てる見込みのない日に睡眠削って出かけるようなこと、しなくていいよなぁ。家で紅白観て寝転がってるのが一番の勝ちよ！
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