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瀬古利彦DeNAアスレティックスエリートアドバイザー(68)が今年も2、3日に行われる第101回東京箱根間往復大学駅伝競走を占った。国学院大、青学大、駒大の3強による優勝争いを予想。その上で初の総合優勝と3冠に挑む国学院大に「新たな歴史をつくってほしい」と期待した。
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出雲と全日本を制した国学院大には「勝ち切る」という意識が浸透している。今季は小さな大会も勝ってきた。箱根の壁は高くて、初優勝への重圧もあるけど、今回はそれをはね返す力が備わっている。
何より2月の大阪マラソンを初マラソン日本最高記録で制した平林の存在が大きい。彼の練習の質と量がチームの基本になって、他の選手もマラソンを走れるくらいの練習量をこなしている。「平林に負けてたまるか」という選手間のライバル意識も、相乗効果になっている。
不安は5区の山上りにライバルの青学大や駒大のようなエースがいないこと。ただそこで先行されても1分差以内で粘れば、復路で逆転するだけの戦力は十分ある。出雲も全日本も逆転優勝。後半が強い。箱根で優勝するとすれば同じパターンでしょう。
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青学大は盤石です。5区の若林をはじめ、黒田朝、太田と経験のある実力者がいて、3区の鶴川も今季は新エースに成長した。優勝7度の原監督の経験値も大きい。1区から流れに乗れば、そのまま逃げ切ってしまいそうだ。駒大は故障明けの佐藤次第でしょう。出雲と全日本は佐藤抜きで2位だから、彼が復活すれば当然優勝の可能性も高まる。そのためにもスピードのある2区のエース篠原に、いい位置でタスキをつないで流れをつくりたい。
台風の目になりそうなのが予選会から勝ち上がった中大。上位10人の1万メートルの平均タイムはトップ。全選手が力を出し切って勢いに乗れば、3強の一角を崩す可能性もある。往路は留学生と安定感のある吉田を要する創価大や、エース斎藤の5区投入が予想される城西大も楽しみ。早大も苦手としていた山上りに今回は工藤がいる。予選会トップで2週間後の全日本でもシード権を獲得した立大の力は本物。63年ぶりのシード権どころか5、6番に食い込んでくるかもしれない。
優勝は国学院大、青学大、駒大の3強の争いになるでしょう。抜きんでたところはなく、大接戦になると思うけど、101回目の箱根駅伝に新たな歴史をつくるとすれば国学院大しかない。何とかチャンスをつかんでほしいね。
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