雇用維持に黄信号=業績低迷のUSスチール

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2025年01月04日 09:01  時事通信社

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時事通信社

 【ニューヨーク時事】日本製鉄による米鉄鋼大手USスチール買収を巡り、バイデン米政権が正式に中止命令を出した。鋼材出荷の落ち込みなどを背景にUSスチールの業績は近年低迷。日鉄からの投資がなければ、一部製鉄所が閉鎖に追い込まれる可能性があり、雇用維持に黄信号がともりそうだ。

 1901年創業のUSスチールはかつて、世界最大の鉄鋼メーカーとしてその名を知られた。しかし、日欧からの鉄鋼流入などが響いて競争力が低下。2024年7〜9月期決算では純利益が前年同期比6割減と、業績不振に歯止めがかからない。23年夏には身売りを含めた戦略的選択肢の検討開始を公表し、日鉄が同年12月、総額2兆円で買収すると発表した。

 この買収について、雇用維持が危ぶまれるなどとして全米鉄鋼労組(USW)が猛反発。大統領選で労組票を取り込みたい民主、共和両陣営も異論を唱え、政治問題に発展した。日鉄はUSWと協議を重ねたものの、溝は埋まらなかった。

 日鉄は買収完了に向け、トランプ前政権で国務長官を務めたマイク・ポンペオ氏を助言役として起用。同氏は昨年8月、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルに寄稿し「米国の鉄鋼産業を強化できるまたとない機会だ」と、買収の意義を強調したが、米政界には響かなかった。

 USスチールは昨年9月、買収が不成立となれば「数千の職がリスクにさらされ、地域社会に悪影響を与える」と警告した。USWのかたくなな態度とUSWに同調した政治家の姿勢が、かえって雇用を減らす皮肉な結果を招く恐れがある。 

このニュースに関するつぶやき

  • 経営難が進み人員削減で多数の労働者が解雇される段階になってから、「あの時買収を阻止しなければ良かった」と後悔するのだろうな。で、阻止したバイデンが全て悪いとなる。
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