12月6日に発表されたJR東日本の料金改定の中には東海道本線東京〜熱海間の別線化も盛り込まれていました。これはどういうことで、どのような影響があるのでしょうか。改定予定時期は2026年3月です。
東京〜熱海間の在来線・新幹線が別物に
東京〜熱海間には2つのJR線が存在します。すなわち東海道新幹線と在来線の東海道本線です。東海道新幹線はJR東海、東海道本線はJR東日本が運営しています。
運賃計算では東海道新幹線と東海道本線は同一の路線とみなし、普通運賃も1980円と同額です。現状では東京山手線内→熱海の乗車券を持っている場合、新幹線経由であっても追加料金なしで東海道本線を利用できます。
しかし、改定後は東海道新幹線と東海道本線を完全に切り離し、別線扱いになります。東京〜熱海間の普通運賃を比較すると、東海道新幹線よりも東海道本線の方が高くなります。とはいえ、東海道新幹線の乗車には特急券が必要ですから、トータル的には東海道本線の方が安いことに変わりはありません。
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東海道新幹線経由の乗車券では、東海道本線東京〜熱海間に乗れなくなります。なお、定期券に関して、新幹線定期券(FREX・FREXパル)は従来通り東海道本線でも利用可能です。また、新幹線停車駅を2駅以上含む定期券を持っている場合は特急料金を支払うだけで東海道新幹線に乗車できます。
東京〜熱海間の新幹線定期券に関しては、JR東海が12月12日の定例会見にて、JR東日本の運賃改定に合わせて値上げする方針を示しました。一方、新幹線、在来線の新たな運賃改定については否定する方針も示しています。
在来線・新幹線別線化の小倉〜博多間はどうなっているの
今後、東京〜熱海間で東海道新幹線から在来線・東海道本線へのルート変更はどうなるのでしょうか。新たに東海道本線の乗車券を購入する必要があるのでしょうか。
東京〜熱海間が別線化されますが、何も新幹線と在来線の別線化は特別なことではありません。新幹線と在来線が並走していながら“別線扱い”という区間としては、新下関〜博多間が挙げられます。ここでは便宜上、小倉〜博多間で説明します。
小倉〜博多間は山陽新幹線がJR西日本、鹿児島本線はJR九州が運営しています。普通運賃は山陽新幹線が1170円、鹿児島本線は1310円です。
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小倉〜博多間の切符を購入する際は「山陽新幹線経由」もしくは「鹿児島本線経由」か、どちらかの経路を指定します。
そして、小倉〜博多間を含んだ山陽新幹線の使用開始後の乗車券を持っている場合、鹿児島本線小倉〜博多間を乗車しようと思っても、そのままの状態では鹿児島本線には乗車できません。
ここでは「きっぷの変更ルール」が適用され、山陽新幹線と鹿児島本線の普通運賃差額分を払うことで乗車できます。新たに鹿児島本線の乗車券を購入する必要はありません。差額分を払うと「区間変更券」が発券されます。
東京〜熱海間も東海道新幹線の乗車券を持っている場合で東海道本線に変更する際、小倉〜博多間のように差額運賃を払えれば乗車可になるのか。乗車券の変更時に取り扱いについて気になるところではあります。
(まいどなニュース特約・新田 浩之)
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