ロッテの“98年世代”は昨季まで種市篤暉、鈴木昭汰、高野脩汰、小川龍成、和田康士朗の5人だったが、今季からドラフトで加入した立松由宇、現役ドラフトで中日から石垣雅海、ソフトバンクを戦力外となり育成選手として入団した中村亮太の3人が加わり、8人に増えた。これは10人いる“97年世代”に次いで多い。
リーグ優勝するためにも、“97年世代”とともに“98年世代”の選手たちが一人でも多く中心選手として活躍する必要がある。昨季は種市が自身初となる規定投球回に到達すれば、鈴木昭汰も51試合に登板して2勝2敗27ホールド5セーブ、防御率0.73と抜群の成績を残し、シーズン終了後に行われた『ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12』の日本代表に選出、小川も昨季シーズン自己最多の119試合、63安打、20犠打、21打点、30四球、10盗塁をマークするなど、レギュラーに近い存在となった。ロッテの98年世代で唯一タイトルを獲得している21年盗塁王の和田、高野も昨季ロングリリーフを中心に6試合に登板しプロ初勝利を挙げた。
高野は一軍定着するために、「(昨年は)自分は誰かが怪我したりとか緊急で上がることが多かったので、そこの少ないチャンスをしっかり全部ゼロで抑えて、より良い使い方というか、もっとしっかり任せてもらえるようになりたいと思います」と話し、今季に向けては「一軍で登板するのはもちろんですけど、記事でもあったように先発で考えていただいているので、まずはそこをローテーションを守れるようにやっていきたい」と意気込む。
現役ドラフトで加入した石垣は昨年12月に行われた入団会見で「内野全ポジションをやっているので、内野の全選手がライバルになると思います」と闘争心を燃やし、「優勝に必要な選手になれるように。開幕スタメンを狙っていきたいと思っています」と新天地でのレギュラーを狙う。
今季プロ1年目を迎える立松は、“98年世代”の選手たちが先にプロで活躍していることについて、「特に何も思っていないですね。プロ野球は大人になってからあまりみていなかったので、自分が好きな野球をどの環境でも続けられれば、すごい幸せな人生だなと思っていました。今回、日本生命からロッテに変わりましたけど、地元千葉県で野球できるのがすごく嬉しいですし、昔から好きな球団だったので、最後こういうふうにロッテと縁があって野球ができるのはめちゃめちゃ嬉しい気持ちでいます」と話した。
即戦力として期待される中で、「与えられたポジションをひたすら全うして、レギュラーまでいかないと思いますけど、一軍でずっといられるような選手になっていきたいと思います」と結果にこだわっていく姿勢を見せた。
育成でロッテ加入が決まった中村は球団を通じて「地元に戻ってくることが出来て嬉しいです。育成からしっかりとアピールして3度目の支配下になれるように頑張ります。カーブとシンカーが武器だと思っているので、その武器でカウント球としても、決め球としても生かして結果を出していきたいです」とコメントした。
“98年世代”がマリーンズを引っ張り、チームの顔となる選手が1人でも増えれば、リーグ優勝が近づくはずだ。
▼ ロッテの1998年世代
【投手】
中村亮太 1998年5月18日生
高野脩汰 1998年8月13日生
種市篤暉 1998年9月7日生
鈴木昭汰 1998年9月7日生
【内野手】
小川龍成 1998年4月5日生
石垣雅海 1998年9月21日生
立松由宇 1999年2月5日生
【外野手】
和田康士朗 1999年1月14日生
取材・文=岩下雄太