去年1年間の訪日外国人数は3600万人を超え、過去最多を更新。しかし観光地ではトラブルも…。オーバーツーリズムの対策として、名所の並木を伐採するなど、苦渋の選択を迫られる観光地もあります。
■2024年の訪日観光客 過去最高の約3687万人
東京・浅草には、15日も多くの外国人観光客の姿がありました。
15日に発表された2024年の訪日観光客は、過去最高となる約3687万人でした。
アメリカからの観光客
「去年、北海道に行ってきた」
「雪まつりが最高だった」
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アメリカから観光客
「北海道はまだだけど、行ってみたい」
外国人観光客に人気の北海道。ある街のシンボルに異変が起きていました。
■「観光客が道路に座り込んで、車が行っても避けてくれない」オーバーツーリズム問題に直面
雪原に立つ白樺の木々がおりなす幻想的な光景は、北海道美瑛町の観光名所です。隣接する「セブンスターの木」と合わせて、季節を問わず、国内外の観光客から人気を集めています。
記者
「セブンスターの木の近くにある白樺の並木ですが、根元から全て切られてしまっています」
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14日に訪れてみると、約40本の白樺の木が全て切り倒されていました。地域住民に話を聞くと…
地域住民
「(観光客が)道路に座り込んで、車が行っても全く避けてくれない」
白樺並木の周辺は、オーバーツーリズムの影響で、畑の無断立ち入りや、通行の障害が問題に。これまで行政などと協力し、駐車禁止や私有地に立ち入らないよう促す看板を立てるなど、対策してきました。
しかし14日、今後も農作業に支障が出るとして、地権者らによって伐採されたのです。
美瑛町農林課 平間克哉 課長
「美瑛町にたくさんの人が訪れていただくことは嬉しいことではあるが、農作業に影響があるということですので、(白樺の)伐採はやむを得ない」
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■車道にはみ出る観光客…小江戸・川越も対策検討
オーバーツーリズムに悩む観光地は他にも。明治時代に建築された蔵造りの町並みが人気の川越市です。
最新のデータによると、外国人観光客は6倍に急増。混雑のため車道にはみ出てしまう人や、ごみの不法投棄が問題となっています。
川越一番街商業協同組合 長島貴子理事長
「建物が売りの街ですから、建物を壊して歩道をつくることはできない」
飲食店では店頭に並ぶ客を減らそうと工夫も。「小江戸釜めし 鳥清」では、食事の順番がスマホでチェックできる「予約端末」を12月に導入しました。
他にも京都で導入されている、ごみを5分の1に圧縮できる「スマートごみ箱」の設置も検討しているといいます。
観光と住民生活をどのように両立させていくのか、今後も模索は続きます。