今年の春闘が事実上きょうからスタート。大幅な賃上げの表明が相次いでいます。一方で賃上げが遅れているのが40代、50代です。
きょう、都内のオフィスで打ち合わせしていたのは、入社4年目の木津さん。明治安田生命の総務部で働いています。
最近始めたという趣味が…
明治安田生命 入社4年目 木津明里さん(26)
「最近ゴルフ始めたんですけど、道具一式を揃えて、インドアゴルフスクールにも通い始めました。働き続けていこうというモチベーションになったというか」
モチベーションアップ!そのワケは…
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明治安田生命では、今年の春闘に向けて、国内の4万人余りの社員を対象に、平均で5%の賃上げを実施する方針を固めています。
中でも入社5年以内の若手・内勤職員については、平均で8%以上の賃上げに…
明治安田生命 入社4年目 阿部隼也さん(26)
「他の世代よりも若手に注力していると伝わってきたので、すごく嬉しく感じます」
背景にあるのが若手の人材確保です。
いまや学生優位の超売り手市場。“初任給30万円時代”がやってくる一方で、いま、この賃上げに世代間で格差が生じています。
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これは過去5年間の賃金の増加率です。20代の若手は10%を上回る上昇に対し、40代から50代前半にかけては減少するケースも…
実はこの賃金の“世代間ギャップ”が、ある「ひずみ」を生んでいるというのです。
第一生命経済研究所 経済調査部 熊野英生 首席エコノミスト
「中高年の賃金がこれから上がっていかないというと、これがやりがい・モチベーションが下がるということがあるんです」
50代
「私ら入ったときは(初任給)20万円弱ぐらい。30万!?っていう」
中でも、格差が広がっているのが、2000年前後に就職活動に苦労した、いわゆる“氷河期世代”です。
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50代
「本来そのぐらい上がらなきゃいけないんだろうけどね。一般の会社だったら(年収)1500万、2000万ぐらい管理職なら貰ってもいい時代」
40代
「教える立場からすると、モチベーション下がるんじゃないかな」
年齢の近い若手社員からは、こんな声も…
30歳
「去年入った新卒の子と今年入る子というだけで、3万4万違う」
28歳
「そんな違うの!?」
30歳
「(給料が)逆転しちゃう」
28歳
「え〜」
そのため今後、後輩を連れた食事ではこんなことも…
28歳
「逆におごってもらいたい」
30歳
「その辺も考え方が変わっちゃうかも」
今後、企業にはどんな事が求められているのでしょうか?
第一生命経済研究所 経済調査部 熊野英生 首席エコノミスト
「単なる初任給の引き上げだけではなくて、全年代にわたっての賃上げ。成果に応じて賃上げ、ボーナスの引き上げをするような、恩恵のメカニズムを作らないといけない」