老人ホーム、業者への紹介料高騰=難病100万円超、悪質なケースも―施設の多さ背景・関西

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2025年01月27日 07:31  時事通信社

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時事通信社

関西地方の有料老人ホームが紹介業者向けに送付した紹介料の案内チラシ(施設名にシールを貼る処理をしています)
 関西地方の有料老人ホームに入居者を紹介する業者への手数料の相場が高騰している。1人当たり100万円超が施設側から業者に支払われたケースがあるほか、紹介料目当てに、入居者が施設を移動せざるを得なかった疑いがある悪質なケースも新たに発覚した。業界関係者は「要介護度や難病の有無で値段を細分化しており、まるで人身売買のようだ」と批判する。

 関西圏では施設数が供給過多となっていることを背景に、入居者確保のため、施設側が紹介業者に払う手数料が高騰。業界関係者は「15年前は(1人当たり)20万円でも高いなという認識だった。約7年前から高騰が始まり、数年前に100万円を超え始めた」と話す。

 関西のある施設が紹介業者に送付したチラシによると、要介護度や訪問看護の回数のほか、末期がんやパーキンソン病などの難病を抱えているかで紹介料が決まる。チラシでは要介護2で訪問看護がない人の場合は約30万円だが、要介護5で訪問看護3回、特定疾病がある人は100万円だった。

 紹介料高騰の影響は、入居者にも及ぶ。紹介業者がわざとミスマッチの施設を紹介した後、別の施設に移らせることで紹介料を二重取りした疑いがあるケースでは、入居者も2回の引っ越し費用などの負担を余儀なくされた。

 取材に応じたある入居者の親族によると、昨年、難病を抱える70代後半の母親が病院から老人ホームに移る際、住居がある自治体内の施設を希望したものの、紹介業者からは「空きがない」と言われ、電車で1時間半かかる別の自治体の施設を紹介された。数カ月後、同じ業者から「希望していた市内で空きが出た」と連絡があり転居した。初期費用や引っ越し費用を再び払うことになり、親族は「本当に最初から入れなかったのか」と疑問を呈す。

 このケースの場合、最初に入居していた施設は110万円を業者に支払っていた。同施設の関係者は「業者は次の施設からも同規模の紹介料を受け取っているはずだ。施設が供給過剰な地域なので空きがないというのはあり得ない」と話した。 

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  • 老人ホームに限らず、紹介料ビジネスは胡散臭い🥶
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