hMPV、侵襲性髄膜炎、マールブルグ病…外国人観光客の増加で上陸懸念される「8つの感染症」

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2025年01月27日 11:10  web女性自身

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この冬は年末からインフルエンザが猛威を振るっており、これまでに700万人以上が感染しているという報告が出ている。いまだ流行警戒レベルを超えている都道府県もあり、寒さも続いているから、引き続き注意が必要だ。



「昨年はインフルエンザに加えて、マイコプラズマ肺炎、新型コロナウイルスなど複数種の感染症が次々と拡大した年でした。



ここまで感染症が広がった理由に、コロナ禍で厳しかった感染症対策が緩和されたことや、外国人観光客が増えて世界中からウイルスが入りやすくなったことなどが挙げられます」



こう話すのは、感染症に詳しいいとう王子神谷内科外科クリニックの院長・伊藤博道先生だ。



旅行業者JTBの報告では、2024年の1〜11月の訪日客数は、前年同期比で149.5%と大幅増加の約3338万人。2025年の訪日客数はさらに4020万人にまで増える見込みだ。



「1月28日からは中国の旧正月『春節』、4月以降は大阪・関西万博が開催され、中国をはじめとする海外からの渡航者が増えると、当然、感染症の“輸入”も予想されます」(伊藤先生、以下同)



昨年夏から半年以上にわたって流行したマイコプラズマ肺炎も“輸入感染症”のひとつだったと伊藤先生は指摘する。



「マイコプラズマ肺炎は日本で、はやり始める10カ月ほど前に中国で大流行していました。



そのときから、『日本でもはやるのでは?』と懸念していたら、約半年のタイムラグをおいて昨年6月あたりから感染者が増え始めたのです」





■訪日外国人がさらに増加さまざまな“輸入感染症”が



そして今年、中国でヒトメタニューモウイルス(hMPV)が流行し始めていることをWHOが発表。



ヒトメタニューモウイルスは、気管支や肺で炎症が起こり、呼吸困難や肺炎を引き起こす感染症だ。これも日本で流行する可能性はあるのだろうか。



「ヒトメタニューモウイルスは咳、くしゃみなどによる飛沫・接触感染をする感染力が強めの感染症です。



マイコプラズマのときと同様、春節時に入ってきたウイルスがしばらくしてから日本でもはやる可能性は十分あります」



珍しくないウイルスなので過度な心配は不要だが、大流行となれば、高齢者、基礎疾患のある人、免疫力が低下している人は細気管支炎や肺炎のリスクがあるので要注意だ。



そのほかにも、今後日本で流行する可能性のある恐怖の感染症に伊藤先生が警鐘を鳴らす。



とくに伊藤先生がここ数年懸念し続けているのが、侵襲性髄膜炎菌感染症。



「咳やくしゃみなどの飛沫で感染しますが、菌が血中に入ると突然の発熱、頭痛、吐き気などが現れ、重症化するとけいれんやショック状態になり、死に至ることもある感染症です。



日本は髄膜炎菌の対策が遅れていることもあり、侵襲性髄膜炎菌感染症が拡大したら医療機関は混乱すると危惧しています」



ほかにも伊藤先生が気にかかっているというのがマールブルグ病。



「血液や体液を介する接触により感染する感染症で、症状はエボラ出血熱と似ていて致死率が高いのが不気味です。



感染経路が飛沫や空気感染ではないので、爆発的な拡大をすることはないかもしれませんが、ワクチンもありませんし、国内に入れたくない恐ろしい感染症です」



エムポックスは、アフリカに渡航した人たちが自国に持ち帰ったことから、昨年からヨーロッパやアジアでも感染者が増えている。



2022年に日本でも初の感染者が現れた。皮膚に発疹やヘルペス状の膿疱が現れるのが特徴で、ヒトの間で体液や血液などの濃厚な接触によって感染する。



「乳幼児、高齢者、免疫力が低下している人は合併症を起こしやすく、死亡リスクも高くなります」



そのほか、デング熱、オロプーシェ熱、ウエストナイル熱は蚊などの昆虫を介して広がる感染症で暖かくなったら気をつけたい。



「蚊が媒介するものは、ある程度気温が上がらないと発生しませんが、近年は温暖化の影響で、春先から蚊が発生するようになっています。地域によっては3〜4月くらいから注意が必要になるかもしれません」



鳥インフルエンザは鳥や動物が感染するインフルエンザで、今のところヒトを介する感染の報告はない。



「しかし、媒体を通して生き延びようとするウイルスの特性を考慮すると、遺伝子の突然変異もありえます。それまではなかった感染経路ができる可能性がないとはいえません」



これらの感染症に対する予防策は、手洗い・うがい、咳エチケットなどの空気飛沫対策、質のよい睡眠や腸内環境を整えるような食事で本来の免疫力を維持すること、などが挙げられる。



さまざまな感染症に打ち勝つことのできる免疫力をつけておきたい。

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