ケータイの元祖「自動車電話」は実際は使用禁止だった?(1979年)【TBSアーカイブ秘録】

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2025年01月29日 06:01  TBS NEWS DIG

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スマホはおろか携帯電話がなかった時代、1979(昭和54)年に「元祖ケータイ」とも言えるものが登場しました。「シモシモ〜」の前。エグゼクティブのための「自動車電話」の登場です。(アーカイブマネジメント部 疋田 智)

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ケータイの元祖・自動車電話(車載電話)

実用可能な自動車電話サービスが東京で開始されたのは1979年12月のことでした。
それまでの移動体通信は、交換手を通すものか、基地局なしのトランシーバーのようなものだったのですが、この自動車電話が画期的だったのは、プッシュボタンを押せば一般の加入電話とも相互にかけられることでした。
ここから現在の携帯電話に通じる技術がスタートしたのです。

自動車電話開通セレモニー

当時の映像を振り返ると、電電公社(NTTの前身)の総裁がプッシュホンを押し、あらかじめセッティングされたクルマに電話をかけています。
人気タレントの中村メイコさんが総裁からの電話を待ち受け「良い声ですわよ」と受けるという演出です。

この、いかにも昭和らしい演出の記者発表から、現在のスマホにつながっていく技術革新がスタートしたのです。

エグゼクティブご用達

ただしハードルとなったのは費用でした。
自動車電話は機器が電電公社からのレンタルで、保証金が約20万円、月額基本料3万円、通話料(近距離)6秒10円かかりました。通話料だけで1時間6,000円。東京都の最低時給が382円の時代ですから、相当に高価だったわけです。

だから自動車電話を使うのは大企業の取締役か、政治家、不動産長者などばかり。
高級車の後席で、自動車電話を片手に「いま、クルマの中からなんだが、〇〇の件はうまくいってるのかね」というとき、昭和のエグゼクティブは「エリート恍惚感」に酔いしれたといいます。

デカくて重い部分は隠されている

しかし、実際には通話料が高いため、多くの自動車電話は「緊急時以外の使用は禁止」とされたそうです。これでは何のためにあるのか分かりません。

また、サービス開始当時の自動車電話の無線機本体(受話器別)は、体積が6600cc、重量が約7kgもありました。「シモシモ〜」どころじゃありません。7kgですから片手で持てません。
だから初期の自動車電話の本体は、自動車のトランク内に取り付けられていたのです。手もとにある受話器は軽いプッシュホンですが、本体はクルマの中。だから、自動車を離れての利用はできませんでした。

一般化のきっかけは?

その後、1983〜84年になると自動車電話は東京以外にも広まります。
さらに1985年には電話がクルマから飛び出して、ショルダーホン(ようやく3kg)になりました。この新型(88年)がバブル期に重なり、ようやく「シモシモ伝説」はスタートしたのです。

さらに1993年からはデジタル方式の自動車電話サービスが開始されました。
デジタル化により端末の小型化や廉価化が劇的に進み、ファクシミリやデータ情報の伝達も高速に行えるようになりました。
こうした「移動電話の進化」は、公益社団法人発明協会の「戦後日本のイノベーション100選」に選ばれています。

このニュースに関するつぶやき

  • イヤイヤフル((o'д'o≡o'д'o))フル 元祖といえば通信兵の通信機だろ?
    • イイネ!14
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