スマホでもプリントシール機でもない“新たな自撮り”がZ世代に広がっています。
【写真を見る】Z世代の「自撮り」に変化…あえて“盛らない”セルフ写真館が人気のワケは?【THE TIME,】
大人気の「セルフ写真館」とは?街ゆく若者に、今流行っている自撮り写真を聞いてみると…
「自分のタイミングでシャッターボタンを押す“セルフ写真館”行きます」(10代女性)
「“セルフ写真館”めっちゃ増えてるよね」(10代女子)
番組で調べてみると、東京・渋谷駅周辺だけでも7店舗。
年々増えてきている「セルフ写真館」とは、本格的なカメラや照明が完備され、シャッターボタンを自分で押して撮るという“プリントシール機と写真館の中間”のようなサービスです。
では、どのように利用するのか?
2024年6月に韓国から上陸し、ブームの火付け役となった『Photomatic』の渋谷道玄坂店(東京・渋谷区)に行ってみました。
6つの撮影ブースの中から選んだのは、<全身撮影>ができる全面白壁の部屋で広さは2m×3.5mほど。
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THE TIME,マーケティング部 西堀文部員:
「お〜広い!10人ぐらい入れそう。もうスタジオですね、これ」
中にはボックス型マシンがあり、カメラやタッチパネルがついています。
タッチパネルでフレームを選んだら、シャッターボタンを持ってカメラの前へ。
両手を広げたり腰をそらしたりと全身を使ってポーズを決めながら、自分のタイミングで8枚撮影しました。
その中から4枚選んだら、「明るさ」を調整し「白黒かカラー」を選択します。
西堀部員は白黒をチョイス。出来上がった写真を見ると…
プロのカメラマンが撮影したような質感で、笑顔も決め顔も自然な表情に!(※2枚プリントで1000円〜・撮影には時間制限があります)
西堀部員:
「シンプルで大人っぽい仕上がり。これはスマホじゃ出来ないですね」
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他にも、駅などにある“証明写真”のような「箱型ブース」もあり、上半身だけの撮影も可能。
多い日には約200人が来店するほど人気で「常に埋まっている時間も増えてきている」(ピックハイブ・高見彩子さん)といいます。
何が、若者をひきつけるのか?
実際に撮影している姿をウォッチングして探ってみました。
振袖姿でやってきたのは、20代の女性2人。
正面だけでなく、後ろ姿でも全身を撮影しています。確かに、2人揃っての後ろ姿は自分たちでは撮れないアングルです。
続いては、20代のカップル。
「俺、利き顔こっちだから」「2人とも利き顔(笑)」などと、顔の左右どちらを見せるかにこだわっています。
20代女性:
「利き顔があるから角度とか、自分の好きなタイミングで撮れる」
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さらに、写真の仕上がりも、若者の支持を得ているようです。
20代の男性5人組は、腕組みポーズで撮った写真を見て、
「いいね!“自然”な感じで」
「マジでいいじゃん!“ナチュラル”で。フィルター無い方がいいね」と、加工ナシの“自然な表情”が気に入った様子。
「ハート作っちゃう?」とポーズを決めた20代の女性2人も、「盛るっていうより、“ナチュラル”な感じが良い」と口にします。
20代女性:
「この年齢の“今の私たち”を残したい」
20代女性:
「盛れていなくても“そのまんま”が逆に良いみたいな」
加工を重ねた“盛り”重視から“無加工”へと変わった背景には、何があるのでしょうか?
『芝浦工業大学』UXコース教授 原田曜平さん:
「加工アプリが飽和して、個性というか“差”がなくなっちゃった。今度は無加工で『この角度で撮ればいい』とか、そういうところで承認欲求を満たすようになってきている」
“無加工でありのままを表現する”という価値観は、SNSでも広がっています。
Z世代SNSトレンドグランプリ2024のコンテンツ部門で1位になった「BeReal.」。
最大の特徴は、アプリから通知が届いたら「2分以内に自撮りをして投稿しなければいけない」というルールです。
通知がいつ来るのかわからない上に、投稿できる写真や動画は“無加工”だけ!
10代女性:
「1日のいつ通知が来るかわからなくてドキドキみたいな日常。加工とかじゃなくて思い出に残すみたいな感じ」
自撮りの変化の裏には、新たな価値観がありました。
(THE TIME,2025年1月30日放送より)