元セクシー女優でフリーライターの「たかなし亜妖」がお届けする連載コラム。2016年に「ほかにやることがなかったから」という理由でセクシー女優デビュー。女優生活2年半で引退を決意し、ライターへ転向。現在は鳥越アズーリFM「たかなし亜妖のモザイクストリート」で冠番組を持つなど、メディア出演も積極的に行っている。
◆SNSで買い手を募集する“ネット立ちんぼ”とは
“立ちんぼ”と聞けば多くの人が例の公園を思い浮かべるだろうが、SNS上にも立ちんぼと似たことをしている人は無数に存在する。こういった人たちを“ネット立ちんぼ”と呼んでいる人もいるようだ。
彼女たちは主にXで買い手を募集し、売買を行う。公園に立つか、SNS集客をするかの違いがあるだけで、やっていることはお互いに何も変わりがない。
例の公園を利用せず、店にも属さず、大人の関係だけを目的としたマッチングアプリもやらない人々は、SNSを釣り場とする。一見すると、完全なる個人集客をビジネスとして成り立たせるのは難しそうに思えるが、実はこの動きだけで生計を立てる女性はかなり多い。
◆カネを稼ぐための“過激アピール投稿”をする未成年たち
ネット立ちんぼは、実は新しいものではなく、前々から蔓延していた。SNSで専用のアカウントを作成し、「健全0.5」「ホ別1.5」と“業界用語”を駆使しながら募集をかける。近頃のトー横キッズはこれらを“案件”と呼んでおり、生活費を稼ぐためのツールとして使うそうだ。
顔を公開せずとも、体や全体の雰囲気が分かるような画像を載せるだけで男性が集まる。年齢を載せると集客しやすく、特に17歳以下や20歳未満は大人気。派手な売り手は「会った時に身分証を出せます。リアル17歳です」と過激なアピールでお金を稼いでいく。
また、女性は案件をこなしていくと徐々に集客が安定してくるようだ。その理由は、リピーターを掴めるのはもちろんのこと、ネット立ちんぼの多くが売買専用のアカウントを持つ男性に「自分のことを書いて」と頼むから。
要するに男性の投稿が口コミのような役割を果たすため、宣伝が増えるほど女性はとにかくオイシイ。めげない精神とフットワークの軽ささえあれば、ネット立ちんぼは見事に成り立ってしまうので、公園に行く必要も、店に所属する意味も見当たらないのだろう。
面接の合否もなく、店からの中抜きもされないので全額丸貰い。“個”の力が強いと、ネット立ちんぼの方が稼げてしまう可能性も高まるわけだ。
◆ネット立ちんぼの危険性
例の公園以上に危険性が高い“ネット立ちんぼ”。公園で立っていれば、そのままホテルへ直行するため時間はかからないが、SNSはステップをいくつも踏まなければならない。それだけで面倒事が多いうえ、バックレ、盗撮などのデメリットがある。美人局や恐喝といった事件に巻き込まれる可能性も考えられるだろう。
時と場合によっては、お互いに大きな傷がつくとなると、ネット立ちんぼの売買は「やめた方がいい」としか言えないのだが、手を染める人は少々考えが浅い。目先の快楽ばかりを追い求め、最悪の事態を想定していないように思う。
◆良い部分だけ見ていたら大変なことになる
そういったことに手を出す女性は「稼げる」やら、「自由に生きられる」やら、良い部分ばかりに目が向くのだろう。ただ、人生を大きく脅かす出来事が起きてからでは遅いのだ。買ってしまう男性だって、社会的地位を引きずり降ろされては明日がなくなってしまう。
ルール無用の世界には、常識が通用しない点を誰もがしっかりと理解すべき。今以上に立ちんぼが当たり前となり、悪い文化を増長させる人口が減るのを筆者は祈るばかりだ。
文/たかなし亜妖
―[元セクシー女優のよもやま話]―
【たかなし亜妖】
元セクシー女優のフリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ソーシャルゲームのシナリオライターを経て、フリーランスへと独立。WEBコラムから作品レビュー、同人作品やセクシービデオの脚本などあらゆる方面で活躍中。