滋賀県庁はさながら迷路「1階から入ったはずが…既に2階」!?本館、新館、東館…増築に次ぐ増築の果てにダンジョン化

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2025年02月02日 16:10  まいどなニュース

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滋賀県庁

滋賀県庁(大津市)は、さながら迷路のよう—。敷地内には最も古い本館のほか、新館や東館などさまざまな建物が立ち並ぶ。内部も複雑で、来庁者だけでなく県職員でさえ「分かりづらい」とこぼすほどだ。増築に増築を重ねた歴史が、庁舎のあちこちに刻まれている。

【写真】新館(手前)と東館(右側)、北新館(奥)を結ぶ通路に苦労の痕跡が…

重厚な趣の本館は1939年の完成で、10年前に国の登録有形文化財になった。74年には南隣に7階建ての新館と、5階建ての県警本部別館(現・北新館)が新たに建った。

当時の県の資料によると、野崎欣一郎知事は新館建設の背景について「時代の推移と行政規模の増大、多様化に伴い事務処理機構の拡大整備が必要となった」と説明している。

ただ、新館の「階」には注意が必要だ。敷地は南北で高低差が大きく、新館は本館より高い位置にある。階は本館を基準にしているため、大津駅側などから新館に入ると、そこは1階ではなく既に2階。用事を済ませて帰る時など、つい1階に行って迷う人が少なくないという。

さらに83年に商工労働会館(現・東館)が新設され、87年には新館も手狭になったことで大幅に増築されて現在の姿になった。指摘されないと気付かないほどだが、「旧新館、新新館と分けて呼ぶ職員もいる。他を含め、つぎはぎだらけです」と総務課庁舎管理係の山田佐妃係長。2016年には本館東隣の県警本部跡地に危機管理センターができた。

増築を繰り返してきたが、湖国で来年行われる国民スポーツ大会の準備を含め、行政需要の拡大などで職員数は増加を続けている。山田さんは「本庁は執務室が足りず、ぎゅうぎゅうの状態。組織改編時の部屋の調整はパズルのようです」と苦笑する。

各館を結ぶ連絡通路もややこしく、例えば新館と東館の渡り廊下は2、3階のみ。付近の通路は細かく曲がり、いかにも無理やりつなげた印象だ。

一方、本館は中庭を囲むようにロの字形に廊下が続き、方向感覚が分からなくなる人もいるとか。食堂など一部はやはり建て増しで、不自然な段差が存在する場所もある。

築85年と老朽化が進み、県議会11月定例会議であり方を問われた三日月大造知事は「本館をはじめ、各棟は今後10〜20年に建て替えや大規模改修が必要な時期を順次迎える。庁舎全体の一体的な検討に着手する必要がある」と答弁した。

こうした中で頼りになるのが本館と新館の入り口にある受付案内だ。1日70〜80人に対応しており、案内係の1人は「迷ったり、どこにいるか分からなくなったりする人は多いです」。各課の配置図の紙にマーカーを引きながら説明し、雨天時は濡れないようにルートにも配慮している。

また、新館7階と東館7階の両大会議室は特に間違えやすく、新館の方は西エレベーターか階段でしか行けない。職員提案で昨年度から廊下に緑と青のテープを貼り、たどっていけば各大会議室に着くように工夫した。

案内図は館内のあちこちに張り出され、それを見ている来庁者がいれば一声かけるという職員も。「口で説明しても分かりにくい場所だと一緒に行くようにしています」。複雑な構造だからこそ、訪れる人に優しい県庁であってほしい。

(まいどなニュース/京都新聞・堤 冬樹)

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  • 敷地内に高低差のある場所に建ってると、地上との出入口が違う階てよくある。
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