東京、大阪の主要テレビ番組製作会社が加盟する一般社団法人全日本テレビ番組製作社連盟(ATP)が、フジテレビに対してレギュラー番組の予算や本数の確保、局都合による休止や仕様変更にともなう作業への対価の補償などを求めた。6日までに公式サイトで要望書を公表した。
【写真】深々と…頭を下げて謝罪した港浩一氏らフジテレビ幹部 公式サイトには1月30日付で、同連盟がフジテレビに宛てた「ATP からの要望書」との文書が掲載された。文書には「番組の中止や広告の差し替えにともなう自主返金作業などフジテレビを大きく揺るがす事態に対して、ATP には会員社から数多く不安の声が寄せられています」との現状が記され、「納品済み番組の緊急再編集、取材先のキャンセルによる急な内容変更など、その影響は製作会社だけでなく撮影・編集などの協力会社にも及びます。現場スタッフの疲弊につながる過重労働も避けなければなりません。零細企業も多いATP 会員社にとって、番組終了や発注キャンセルが即倒産につながるケースも容易に想定されます」と説明した。
その上で同連盟は「レギュラー番組の通常予算や本数の確保」「局の都合による休止や仕様変更にともなう作業への対価の補償」「予算一律カットなどを行わず双方で適正な製作取引を目指す」「4月編成の見通しを早期に提示いただく」の4項目を重点的な要望項目に挙げた。
最後には同局に向けて「ATP40 年の歩みを振り返れば、フジテレビの番組から日本のコンテンツ産業を支える製作会社の多くのトップクリエイターを輩出できた事は私たちの誇りでもあります。その豊かな製作土壌を将来にわたって維持するためにも、信頼の早期回復を切に願っております。要望をご理解いただき、何卒ご配慮のほどよろしくお願い申し上げます」とつづった。
同局をめぐっては芸能界を引退した中居正広氏(52)をめぐる女性トラブルに局員の関与を指摘する一連の報道で、多くの企業がCM差し止めの措置などを講じた。その影響でフジ親会社が発表した決算によると、今年度の最終利益は7割以上減少する見通しで、フジテレビ単体では赤字となる見込みという。