富士ソフト本社=横浜市中区 米投資ファンドのベインキャピタルは17日、システム開発の富士ソフトに提案していたTOB(株式公開買い付け)を断念すると発表した。富士ソフトを巡っては、米ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)が19日までTOBを実施中で、半年近く続いた争奪戦はこれで終結する見通しだ。
富士ソフトは昨年8月、KKRをスポンサーとして株式を非上場化すると発表。当初、KKRは1株8800円でTOBを始めたが、ベインが参戦したため、買い付け価格のつり上げ競争に発展した。
創業者の支持を得たベインは1株9600円で2月上旬までにTOBを開始する計画を公表していたが、KKRが買い付け価格を9850円に引き上げたことを受け、見送りを決定。TOBの撤回も視野に検討を進めていた。
ベインは17日付の声明で「(買収提案は)株主の利益に資するものであったと信じている。対象者(富士ソフト)のさらなる成長を願っている」と強調した。