画像提供:マイナビニュース東京都渋谷区では、2021年度より「落書き対策プロジェクト」を立ち上げ、区が率先して落書き消去を実施してきたが、2024年度からは、さらに取組の輪を広げ、地域全体での落書き対策を加速させるため、「落書き対策プロジェクト セカンドステージ」の主要事業として、「らくがき消去サポーター事業」を立ち上げ、区民、事業者およびボランティア団体などと連携し、地域社会が一体となって落書きをさせないまちを目指している。
「落書きは、街の美観を損ねるだけではなく、周囲の人に不快感を与え、さらには地域の環境・治安の悪化(新たな犯罪の誘発)などに繋がるもの」との考えから立ち上げられた「落書き対策プロジェクト」では、2021年度からの3年間で、約1万2,000平方メートルの落書きを消去し、街の美観維持を推進してきたという。
そして、2024年度からスタートした「落書き対策プロジェクト セカンドステージ」では、主要事業として「らくがき消去サポーター事業(らくサポ)」を立ち上げ、区民、事業者およびボランティア団体などと連携して、地域社会が一体となって落書きをさせないまちを目指している。
「らくサポ」では、渋谷区がコーディネーターとなり、落書きに困っている事業者などの所有者と落書き消去活動への協力者(サポーター)を繋げ、三者一体となって活動を行っているが、区民等サポーターが自主的に落書き消去を行える環境整備を進めるため、渋谷区は、落書き多発対象物を所有している事業者との調整および連携協定の締結を進めており、2024年9月2日には、東京電力パワーグリッドおよびNTT東日本 東京南支店と、電柱の落書き消去に関わる協定を締結。この協定締結により、区内の東京電力およびNTT東日本が管理する電柱に発生した落書きを迅速に消去できる仕組みが構築された。
○NTT東日本 東京南支店の社員が落書き消去活動
渋谷区と連携協定を結ぶNTT東日本 東京南支店だが、たた協定を結んだだけではなく、落書きを消去するボランティア活動にも積極的な姿勢を見せている。そして、2月13日には、NTT東日本 東京南支店 企画総務部 企画総務担当課長の吉井彩人氏以下12名の社員が、渋谷区内にある電柱の落書きを消去するボランティア活動に参加した。
今回の活動は、渋谷区 環境政策部 環境整備課 きれいなまちづくり係の中尾浩則氏による指示の下、渋谷区宇田川町の一角にある電柱およびボラードの落書き消去。軍手、ウエス、溶剤、シール剥がし用のヘラなどを受取り、3人1組になって作業にあたる。
当日の気温はやや高めながら風が非常に強く、軍手をしていてもかじかむ手で、溶剤を使いながら落書きを消していく。
順調に消えていく落書きだが、意外と大変なのがシール剥がしで、ヘラでこすりながら少しずつ剥がしていくが、なかなかきれいに剥がれず四苦八苦。実際、活動時間のほとんどは落書き消去よりもシール剥がしに費やされる。
およそ一時間の作業で、開始時よりもかなりきれいになった電柱に満足しつつも、特に高いところに貼られたシールが剥がしきれないことに悔しい思いも。「次は、もっと背の高い人に声をかけよう」と、すぐに次回の計画を立て始める。
現在、申し込み多数のため、新規の申込受付が中止されている「らくサポ」だが、中尾氏は「春くらいには再開できれば」と今後のさらなる参加者に期待を寄せる。興味のある方は渋谷区のホームページなどをチェックしてみてほしい。(糸井一臣)