東京都狛江市で起きた強盗致死事件の野村広之被告=2023年2月、立川市 「ルフィ」と名乗る指示役らによる広域強盗のうち、東京都狛江市で高齢女性が死亡した事件の実行役として強盗致死罪などに問われた野村広之被告(54)の裁判員裁判の判決が18日、東京地裁立川支部であった。菅原暁裁判長は「残忍で女性の死に直結する暴行をした」として求刑通り無期懲役を言い渡した。
一連の強盗のうち、唯一死者が出た狛江の事件で起訴された実行役計4人の一審判決が出そろった。これまでにリーダー格の永田陸人被告(23)ら2人に無期懲役、当時少年だった1人に懲役23年が言い渡され、いずれも被告側が控訴した。
弁護側は暴行していないと主張したが、菅原裁判長は、永田被告らの供述などから「野村被告がバールで女性の腹部や背中などを多数回殴打した」と認定した。一方、奪ったとされた指輪については、発見されていない上に実行役がいずれも否認しているとして被害品から除外した。
判決によると、野村被告は2023年1月19日、永田被告らと共謀し、狛江市の女性=当時(90)=に暴行して死亡させ、高級腕時計3点(計約58万円相当)を奪った。
狛江事件では他に、指示役として特殊詐欺グループのリーダー格、渡辺優樹被告(40)ら3人も強盗致死罪などで起訴されている。