煙が上がる岩手県大船渡市の山林火災=27日午後 岩手県大船渡市の山林火災は27日も続き、県警によると、同市三陸町綾里で男性1人の焼死体が見つかった。県などによると、焼損面積は600ヘクタール以上で、少なくとも84棟の建物が延焼した。被害は広がる可能性があり、懸命な消火活動が続けられた。
県災害対策本部によると、遺体で見つかった男性の年齢などは不明。宮城、山形、青森各県などからも緊急消防援助隊が出動し、自治体と自衛隊のヘリコプター計10機が上空から消火活動や偵察に当たった。
火災は26日午後1時ごろ発生。同市内の赤崎町と三陸町綾里で出火が確認され、市は873世帯2114人に避難指示を出した。延焼が拡大しているため、27日午後には赤崎町の複数の地区の467世帯1192人にも追加で避難を指示した。
市によると、小学校や公民館などに同日午後10時時点で877人が避難しており、現場に近い小中学校計2校は同日、臨時休校になった。
ライフラインにも影響があり、約500軒で停電し、約40戸で断水した。三陸鉄道リアス線も一部区間で運転見合わせとなり、バスによる代替輸送が行われた。
県災害対策本部は災害救助法の適用を決定。陸上自衛隊に災害派遣を要請し、応急仮設住宅の供与に向けた調整を始めた。県営住宅での被災者の受け入れ体制も整えている。