ガリガリに痩せ、ぼろ雑巾みたいだった子猫 体にしがみついて離れず保護 いまでは猫雑貨店の人気看板猫に「このまだら模様が愛おしい」

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2025年02月28日 07:20  まいどなニュース

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愛嬌のある白黒のまだら模様がチャームポイント

JR大分駅から徒歩約10分。猫雑貨専門店「78(ななはち)猫の部」は、昼間が猫雑貨屋、夜はバーという形態の店だ。昼間の時間帯には、店主の田辺朋之さん(40)の飼い猫で、白黒のまだら模様がチャームポイントの「あずき」(愛称、メス、推定8歳)が出迎えてくれる。「猫を助けたつもりが、助けられたのは自分」と話す田辺さん。あずきとの出会いなどを聞いた。

【写真】飼い主に抱っこされ、ご満悦の猫ちゃん

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田辺さん 僕と猫との出会いは2015年、妻の妹がダンボールに入れて捨てられていた兄弟猫2匹を連れ帰ったときからでした。それまでは動物なんて飼ったことがなく、興味もなかったのに、その猫(八兵衛、うみ)たちの可愛さに完全に心を持っていかれてしまい、猫の魅力にはまってしまったんです。当時、福岡に単身赴任をしていたんですが、休日には猫たちに会いたいがため、わざわざ大分の自宅に戻ってくるほどでした。

2017年のある日、妻の職場に1匹の子猫が迷いこんできました。薄汚れてガリガリに痩せ、まるでボロ雑巾のようだったといいます。最初は「ここでは飼えないから」と外に出したそうなんですが、妻の体に必死でしがみつき、足元を離れなかったそうです。

「ここで拾われなかったら自分は死ぬ」くらいに思っていたのかもしれません。外に出してはまた戻ってくる。それを3度繰り返したとのこと。そんなけなげな姿をみて、妻は「私が保護してあげなければ」と家に連れてきました。それがあずきです。

すぐに病院へ連れていくと、年齢は生後7ヶ月くらいとのこと。幸い病気はなく、数ヶ月もすると元気になって先住猫たちとも仲良くなりました。その後、自宅のベランダで赤ちゃんを産んだ野良猫「よしこ」が加わり、我が家の飼い猫は計4匹になりました(その時の赤ちゃんは里親さんを探して引き取ってもらいました)。 

22年に妻と離婚。あずきは僕が、残る3匹は妻が引き取ることに。独り身になった僕はあずきと一緒に猫雑貨屋を始めました。2016年に会社勤めを辞めて以来、ここで夜、バーを経営しているんですけど、コロナ禍で夜の営業ができなくなって…。バーだけでなくもう一つ、何か楽しみながらできる仕事をやろうと思ったのがきっかけでした。

開店したとき、しみじみと思いました。もともと猫を飼ったこともなかった自分が、猫の魅力にハマって、こうしていま、愛猫と一緒に猫雑貨屋をやるなんて、人生、本当に不思議だなあって。

あずきは、寒い冬は僕の寝ている布団の中に入ってきて一緒に寝るんですけど、夏は暑いので布団に寄ってくることはありません。でも、一度だけ真夏にきてくれたことがあるんです。

そのときは40度の高熱が出て、きつくて動けないからずっと寝ていました。すると、あずきが自分から僕の布団にきて、添い寝してくれたんですよ。すごくつらそうにしているのを察知してくれたのかな。こんな僕のことをわかってくれるやつがいる、僕は一人じゃないんだって、そのときすごく感じました。猫ってふだんは自由きままに生きてるけど、飼い主のこと、実はよく見てるんだと思います。そんなふうに、つらいときはあずきに励まされ、猫雑貨屋という仕事まで与えてもらって、猫を助けたつもりが、助けられているのは実は僕なんですよね。

店では月1回、「NPO法人108(トワ)猫」さんの譲渡会を開催しています。あずきもかつてはそうだったように、野良の子が1匹でも多く幸せになってほしいと願っています。ガリガリだったあずきも今は体重6キロ弱。幸せ太り気味です(笑)。長年、あずきと一緒に過ごしてきて、この白黒のまだら模様がとても愛おしいです。飼い猫を増やすつもりはないけれど、もしも縁あって、あずきと同じ顔の模様の猫と出会ったら、家族に迎えようかなって思っているくらいです(笑) 

【店名】猫雑貨専門店「78猫の部」
【住所】大分市中央町2-6-4 エムライフシティビル2F
【営業時間、定休日】13:00 〜17:00 月火水は休

(まいどなニュース特約・西松 宏)

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