トランプ米大統領“思い描く”ガザ構想動画公開で物議

トランプ米大統領が25日夜、自身のSNSトゥルース・ソーシャルに人工知能（AI）で作成したとみられる自身が思い描くパレスチナ自治区ガザの構想動画を公開し、「不快極まりない」「気持ち悪い」と物議を醸している。

30秒の映像はがれきが散乱する現在の荒廃したガザの姿から始まり、「次は何？」の文字が現れると太陽が降り注ぐビーチリゾートに変わり、黄金に輝くトランプ氏の巨大な像や「トランプ・ガザ」の看板が掲げられたリゾートホテルの建物が登場する。

「ドナルド・トランプはあなたたちを自由にする。すべての人に人生をもたらす。もうトンネルはない。もう恐怖はない。トランプ・ガザがついにやってきた」という歌詞の陽気が曲が流れる中、トランプ政権で政府効率化省を率いる実業家イーロン・マスク氏がビーチで食事をする姿やプールサイドでカクテルを手に横たわるトランプ大統領とイスラエルのネタニヤフ首相が映し出される。

また、トランプ氏がナイトクラブで露出度の高い衣装の女性と踊り、世界一の富豪マスク氏がビーチで現金を人々にばらまき、ひげをたくわえたテロリストらしき人物が砂浜でビキニ姿で踊るシーンなどもある。

トランプ大統領は就任後、「ガザを購入し、所有することにコミットしている」と発言し、ガザ所有の考えを述べていた。

この映像は「ガザを中東のリビエラにする」との構想を掲げたトランプ氏の未来予想の一部であると見られるが、「この男がアメリカの大統領だなんて」「トランプに投票したが、これは何かが違う。偽りの光」「ガザを理由にカマラ・ハリス（前副大統領）への投票を拒否したクソバカども、どうなるか言ったのにあなたたちは聞く耳を持たなかった。トランプは実際にこの投稿をした」「私が生きている間の大統領の投稿の中で最も胸糞悪く、下劣なもの」と、インターネット上にはトランプ氏への非難の声が殺到している。（ロサンゼルス＝千歳香奈子通信員）