藤浪晋太郎、青柳晃洋に立ちはだかるジンクス…「阪神出身」投手はメジャーで活躍できない?

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2025年02月28日 18:44  ベースボールキング

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ベースボールキング

マリナーズ・藤波(左)、フィリーズ・青柳(右)
 野茂英雄のトルネード旋風からちょうど30年。いまや日本のプロ野球で一定の成績を残した選手がメジャーリーグに移籍するのはごく当たり前となった。

 今季はマイナー契約の3選手も含めるとNPBを経験した日本人15選手がメジャー(もしくはその傘下)でプレーすることになる。そのうちの2選手が阪神の出身である。

 1人目は、23年からメジャー挑戦を続けている藤浪晋太郎。1年目はアスレチックスとオリオールズに在籍し、防御率7.18と打ち込まれはしたが、64試合に登板した。残念ながら昨季はメジャー昇格に至らなかったが、オフにマリナーズとマイナー契約を結び、2年ぶりの大舞台を目指している。

 ただ、27日(日本時間28日)のオープン戦(対ジャイアンツ)では5回にマウンドに登るも、1イニング持たずにノックアウト。相変わらずの制球難が露呈し、開幕メジャーは遠のいてしまった。

 その藤浪と阪神でチームメートだった青柳晃洋もメジャーを目指す一人だ。オフにポスティングシステムを使ってメジャー移籍を模索した青柳は、年が明けた1月にフィリーズとマイナー契約を結んだ。

 2年連続で13勝を挙げた21〜22年に比べると、直近2シーズンは合計で10勝。明らかにパフォーマンスを下げている青柳だが、環境の変化がいい方向に転じる可能性もあるだろう。

 春季キャンプでは得意とする「クイック投法」もチームメートから称賛されていた。ただ、フィリーズ投手陣は層も厚く、メジャー昇格を果たすのは至難の業。それでも長いシーズンの間には必ずチャンスも出てくるはずだ。メジャーでは希少のアンダースローを生かしてアピールを続けたい。

 ただ、阪神出身の日本人選手はメジャーで壁にぶち当たる傾向がある。

 元阪神の日本人選手でメジャーに挑戦するのは青柳で7人目となるが、過去の6人のうち、唯一の例外といえそうなのが、新庄剛志(現日本ハム監督)だ。

 イチロー氏と同じ2001年に初の日本人野手として渡米。03年までのわずか3年間だったが、4番を任されたり、ワールドシリーズで安打を放ったり、守備では自慢の強肩を見せつけたり、予想以上の活躍を見せた。

 ただ元阪神の投手となると、やや話が変わってくる。

 新庄の渡米から4年後の05年に海を渡ったのは阪神の暗黒時代のエース、藪恵壹である。すでに36歳というオールドルーキーだったが、アスレチックスの中継ぎとして40試合に登板。防御率は4.50で1年目を終えた。

 しかし、2年目の06年はメキシコリーグで過ごし、07年に至っては無所属のまま。このまま現役引退かと思われたが、08年にジャイアンツとマイナー契約を結ぶと、なんと60試合に登板し、防御率3.57と上々の成績を残した。

 その年齢を考えると、阪神出身の投手で合格点を与えられるのは藪だけかもしれない。

 その後は井川慶が07年に、藤川球児(現阪神監督)が13年に、それぞれ大きな期待を背負って阪神を離れた。ところが、井川はヤンキースのチーム事情にも翻弄され、5年間で16試合に登板しただけ。藤川も渡米後は故障がちとなり、3年間で29試合の登板に留まった。渡米が全盛期だったことを考えれば、成績は物足りなかったと言わざるを得ないだろう。

 そして、久々に阪神からメジャー挑戦を果たした藤浪もその能力を出し切れないまま3年目を迎えている。

 阪神出身の投手にはジンクスとも呼べる高い壁があるが、今季、青柳と藤浪の2人はそれを打破できるか。そのためにはオープン戦で完璧に近い投球を披露する必要がある。

文=八木遊(やぎ・ゆう)

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