Farknot Architect - stock.adobe.com こんにちは。これまで3000人以上の男女の相談に乗ってきた、恋愛・婚活コンサルタントの菊乃です。
髪もボサボサで化粧もしない“完全なる非モテ”から脱出した経験を活かし、多くの方々の「もったいない」をご指摘してきました。誰も言ってくれない「恋愛に役立つリアルな情報」をお伝えします。
◆「趣味:スポーツ観戦」について男性にキレられた
婚活支援をしていると「趣味がないから困る」という方によくお会いします。30代の女性・美紀さん(仮名)も、プロフィール文や相手との距離の縮め方に悩みご相談にやってきました。
美紀さんの母校は学生駅伝に出場していて、正月は駅伝を見るのが習慣。そのため彼女はマッチングアプリで趣味の欄に「スポーツ観戦」と書いていました。
ある日、出会った男性とのデート中に、スポーツ観戦は具体的にどのスポーツかと尋ねられます。
「駅伝とかワールドカップは見るよ」と言ったところ「駅伝なんて正月だけだよね。ワールドカップは4年に1回だよね。たまにしか観ないのに趣味って呼べるわけない」とキレ気味で言われたのです。
その経験があって怖くなり、「趣味は?」と言われると迷うようになったそうです。
◆旅行や映画鑑賞を、趣味と呼ぶのを許せない人たち
趣味の定義のような些細なことにこだわり、雑談で議論を吹っ掛けるような男性は離れて良いのです。ですが、このような相手に遭遇した話はよく聞きます。
趣味が旅行と言ったら「旅行なんて、たまにしか行かないから趣味とは呼べないだろう」と言われたとか、「映画は家で観るだけ? 映画館に行かないのに、趣味『映画』なの?」と不機嫌そうな顔をされたとか。
今、SNS上はいろんなジャンルのオタクであふれています。どの分野でも、自分より詳しい人はすぐに見つかるでしょう。趣味と胸を張って言って良いのか、真面目な人ほど悩んでしまうのかもしれません。
◆何でもバランスよく楽しむ、趣味なし人間だっている
美紀さんはアニメも好きでした。本人は「詳しくないですよ」と強調するのですが、『葬送のフリーレン』『BLEACH』『進撃の巨人』などは観ていたそうです。
他にも、誘われればわりと何でもやってみるタイプで、学生時代の部活も誘われて入部。中学はテニス部、高校はバレー部でした。今はジムに行く程度ですが、体を動かすことは好きだそうです。
インドアもアウトドアもバランスよく、何かを熱心にやるわけではないけれど幅広く興味を持つ方なのです。
そこで、プロフィールを次のような感じにまとめ直すことにしました。
◆特定の趣味などなくてもいい、人柄の方がずっと大事
「体を動かすことはわりと好きで、バレーとバドミントンをやっていました。
スポーツ観戦も好きで駅伝やワールドカップなどは観ます。詳しくはないですが、スタジアムで観戦する雰囲気は好きなので、一緒に行けたら嬉しいです!
アニメも好きで、広く浅く話題作はいろいろ見ています。好きな作品は『葬送のフリーレン』『進撃の巨人』などです。
好奇心旺盛で、誘われると割と何でもやってみる方です。何かおすすめがあれば教えてください!」
相手に合わせる協調性がある人柄をアピールできるのなら、特定の趣味などなくてもよいのです。むしろ、人柄の方がずっと大事なのです。
◆「趣味:カフェ巡り」なのに「デートがスタバ」はあり?”
麻衣さん(仮名・28歳)という女性は、主にマッチングアプリを使って婚活しています。あるできごとをきっかけに、プロフィールの趣味の欄に「カフェ巡り」「映画」と書いている男性が嫌になって、避けるようになったそうです。
「趣味でカフェ巡りって書いてるくせに、実際に会うとスタバでも行く?って言ってくる男性が多いんです。もちろんスタバもカフェで、間違いじゃないけど、スタバとかチェーン店にしか行かないのに、『カフェ巡りが趣味』と言えるのかなと思いました」
スタバの時点ででモヤっとしてしまい、テンションが下がるという麻衣さん。お店を提案するのは男性の仕事、とでも思っているような印象です。
「それでも我慢して席について会話をして、相手について質問して会話を広げるようにするんですよ。
その人は映画が趣味と書いていたので『映画は最近何見たの?』と尋ねたら、『君たちはどう生きるか』と言われました。2023年の作品ですよ。映画は好きなんだろうけれど、そんなに観ているわけではないのかなと思いました。
趣味が映画で、映画館に行くのは年1回程度。別にいいといえばいいんですけど、それで会話が終了するんですよね」
彼女の話しぶりから、「カフェ巡りや映画が趣味と書いている男性はつまらない」と認識している様子がうかがえました。
そんな麻衣さんのプロフィールを見せてもらうと、ディズニーランドで撮影した写真で登録してあり、趣味は旅行と食べ歩き、ピラティスでした。男性から見たら会話のきっかけになりにくい要素ばかりなのに、男性の趣味にばかり注文が多いのです。
◆趣味欄は単なる会話のフック。細かくこだわる必要なし
麻衣さんに、彼女自身のプロフィールも会話のきっかけになりにくく、相手の立場に立って作られていないと説明すると、受け入れてくれました。
「でもピラティスもディズニーランドも書けないなら、趣味なんてないですよ」
「じゃあ、好きな食べ物はなんですか?」
「何でも好きですよ」
「『何でも好き』っていう人が一番困るよ。男性とデートで食事に行くときに、行ってもいいお店ってどんなお店?」
「えっと……」
男性への文句はすらすら出てくるけれど、麻衣さんは言葉に詰まります。そもそも、自分からお店を提案したことがないそうです。
話を聞くと、タイ料理、パンケーキ、焼肉、韓国料理などが好きとのことなので、プロフィールに情報を追加しました。
ピラティスは男性が興味を持たないので、「体を動かすことが好き」と表現を変え、プロフィールを作り直したのでした。
男性に対して常に受け身で、やってもらうことが当たり前になってしまったら、相手に対して「○○してくれなかった」と要求だけ多くなるでしょう。そんな女性は、楽しくない男性にばかり当たるというより、まずは自分の姿勢を変える必要があるのです。
※個人が特定されないよう一部脚色してあります。
<文/菊乃>
【菊乃】
恋愛・婚活コンサルタント、コラムニスト。29歳まで手抜きと個性を取り違えていたダメ女。低レベルからの女磨き、婚活を綴ったブログが「分かりやすい」と人気になり独立。ご相談にくる方の約4割は一度も交際経験がない女性。著書「あなたの『そこ』がもったいない。」他4冊。Twitter:@koakumamt