「逮捕しちゃうぞ」OVA上映会、玉川砂記子&平松晶子がサプライズで生歌披露

3

2025年03月01日 17:41  コミックナタリー

  • 限定公開( 3 )

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

コミックナタリー

左から小早川美幸役の平松晶子、辻本夏実役の玉川砂記子。
藤島康介原作によるアニメ「逮捕しちゃうぞ」の30周年を記念し、OVA「逮捕しちゃうぞ」のトークショー付き上映会が本日3月1日に東京・新宿ピカデリーで開催された。OVA全4話の上映後には、辻本夏実役の玉川砂記子と小早川美幸役の平松晶子が登壇し、当時の思い出や30周年への思いを語り合った。

【大きな画像をもっと見る】

東京下町の墨東署交通課に勤務する女性警官コンビ、辻本夏実と小早川美幸の活躍を描く「逮捕しちゃうぞ」。最初のアニメ化であるOVAは1994年・1995年に制作され、近年はアニメ「SPY×FAMILY」などで活躍する古橋一浩が監督を務めた。3月7日からは30周年を記念し、1999年に公開された「逮捕しちゃうぞ the MOVIE」の再上映が控えている。

上映を終えてトークショーが始まるかと思いきや、スクリーンに流れ出したのは「カラオケしちゃうぞ FILE2 1/2 そしてみんなで歌おう」。当時の2人が実写出演したカラオケビデオ風の映像を背に、玉川と平松はオープニング曲「100mphの勇気」を歌いながら登場した。このサプライズにファンが大きな拍手を贈る中、2人は当時と変わらないみずみずしい歌声を披露。「逮捕しちゃうぞ、30周年ー!」「会えてうれしいよー!」と会場を盛り上げながら、歌い終えると決めポーズを取り、少し照れくさそうに笑顔を見せた。

サプライズ歌唱については玉川からの提案だったそうで、この日もギリギリまで練習してから臨んだという。平松は「さっこちゃん(玉川)は歌が得意なんです。私はカラオケボックスで練習したんですけど、歌い出したら全然音が取れなくて。『逮捕しちゃうぞ』の歌を録ってくださった方に聞いたりしながら練習をして、最初に比べればよくなったんじゃないでしょうか」と謙遜。玉川は「カラオケでこの曲を知らない方の前で歌っても、すごく盛り上がるんです。本当に力がある曲」と、今日の場にこの曲をセレクトした理由を伝えた。

会場には大阪や宮崎など遠方から集まったファンや、作中に登場するモトコンポに乗って会場へやって来たファン、さらにストライク男の格好をして訪れたファンも。30年という数字に玉川は「大谷翔平選手が生まれた頃じゃない?」と驚きつつも「でも、私の心の中はあんまり変わってない」と述べる。平松は「懐かしさを感じる一方で、30年も前に作られた作品とは思えないクオリティ」「背景の美しさ、リアリティがすごい」と改めて作品を称賛。玉川は「音の臨場感がすごい」と話し、「サウンドデザイナーの山田稔さんが、結婚式の日に披露宴を終えてからロケをした」「夏実の足ブレーキの音は、除雪車の雪を散らしてる音らしいです」といった裏話も披露した。

オーディション時の思い出を振り返る場面では、「オーディションのときに藤島先生のマンガを見せてもらって、絵から受ける印象がぱっと入ってきたので、ありがたかったのを覚えています」と玉川。平松はオーディション時に「なんで声作ってるの?」と指摘されたことが印象深いそうで、「“声を作ってる”っていう自覚が全然なかったので、どれが地声なのか混乱してきてしまって。テンパったままオーディションが終わって、これはダメだなって思ったんです。でも地声でお芝居をするってどういうことかという、表現者として一番大事にするべき部分をオーディションで気づかされて、役はダメでも実りのある時間だったなって思っていたので、受かったときはとても驚きました」と振り返った。

夏実と美幸の掛け合いも重要な「逮捕しちゃうぞ」。玉川は「平松さんとは『逮捕』で会う前から舞台でご一緒していたので、どんな球を投げても絶対拾ってくれるという安心感がありました。自由に思いっきりやらせてもらえました」と当時から信頼を置いていたことを話す。平松は「玉川さんのお芝居のバラエティの豊かさに、憧れがすごく強かったので、足を引っ張らないようにしなきゃって」と緊張していたと明かすが、「いやいや、ずいぶんのびのびやってたと思う!」と玉川。ちなみにOVA「逮捕しちゃうぞ」は、幼稚園児役で出演していた入野自由のデビュー作でもあり、玉川は「なんて読むの?って聞いたら『みゆです』って答えてくれたの覚えてる」とアフレコ現場の思い出話に花を咲かせた。2人ともが安心できる場だったと語る「逮捕しちゃうぞ」のチームは今でも交流があるそうで、平松は「ついこの間も“逮捕会”という名の飲み会がありまして。時間の壁を感じさせないくらい盛り上がってます」と明かした。

トークショーの中では古橋監督、「逮捕しちゃうぞ the MOVIE」の西村純二監督、そしてアニメのキャラクターデザインを手がけた中嶋敦子からのメッセージも。古橋監督は「藤島先生原作のアニメ『あぁっ女神さまっ』の成功に続かねばならぬ重圧に全身全霊で臨みました」と当時の苦労も明かしつつ感謝を述べ、西村監督は「現在の映像、音響設備を持つ最新の映画館で上映しちゃうぞ!という企画、素晴らしい」と再上映を喜ぶ。中嶋は「メカニックデザインの村田峻治さんは、お亡くなりになりましたが、『逮捕しちゃうぞ』を支えてくれたスタッフのひとりです。スタッフリストで名前を見るとまだ健在しているように思われます」と、ともに作り上げた仲間への思いをつづった。メッセージ全文は記事末に掲載している。さらに藤島から描き下ろしのお祝いイラストも寄せられた。

最後に平松は「『逮捕しちゃうぞ』がこんなに長く愛され続けているのは、皆さんの応援あってこそです。私にとっても、いろんな世界に触れさせてもらえた、大変大事な思い出深い作品です。今後とも末永く大事に愛してもらえると、とてもうれしいです」とファンへメッセージを贈る。玉川は「ここにお集まりいただいている皆さんの情熱、愛情を今日改めて感じて、とてもありがたいことだと思っています。『逮捕しちゃうぞ』の思い出とともに、また1ページを刻んでいただけたらうれしいです」と微笑んだ。

■ 古橋一浩(OVA「逮捕しちゃうぞ」監督)コメント
思い出深いのは湾岸エリアのロケハンですね。開通したての虹の橋、船の科学館にあった二式大艇、羽田空港 等。舞台が同じアニメの「こち亀(こちら葛飾区亀有公園前派出所)」、「パトレイバー」との差別化の為に、管轄外まで出張る内容にして。藤島先生原作のアニメ「あぁっ女神さまっ」の成功に続かねばならぬ重圧に全身全霊で臨みましたが間が悪く、同時期、同レーベルの「マクロスプラス」の影に隠れてしまった感が。
それから10年ほどして「アフタヌーン」誌上の藤島先生との対談で、新海誠監督がアニメ「逮捕しちゃうぞ」の光の表現を誉めてくれていて。後の新海映画に影響を与えた作品の中のひとつであったのなら、甲斐があったのかなと思えます。
苦労を共にしたスタッフ、これまでに観賞いただいた方々、そしてこれから観賞されるすべての方々に絶えざる感謝をいたします。

■ 西村純二(「逮捕しちゃうぞ the MOVIE」監督)コメント
OVA「逮捕しちゃうぞ」&「逮捕しちゃうぞthe MOVIE」を現在の映像、音響設備を持つ最新の映画館で上映しちゃうぞ!
という企画、素晴らしい。
少し前から、高画質、高音質での「機動警察パトレイバー 劇場版」、「ガメラ 大怪獣空中決戦」、「ジョーズ」と、映画館で観る機会がありました。みんなとにかく面白く、映像作品は、技術革新とともに成長する…と確認しました。
「逮捕しちゃうぞthe MOVIE」もぜひご覧になってください。
横十間川密売案件、桜橋○○事件、墨東署重大○○事件、東京○○から東京○○に続くトゥディVS ○○○○ターが…
美幸と夏実の捨て身の戦いが…(伏せ字だらけですいません!)
皆さんをお待ちしてます!!

■ 中嶋敦子(アニメ「逮捕しちゃうぞ」シリーズ キャラクターデザイン)コメント
「逮捕しちゃうぞ」OVAから始まり30周年なんですね。
まだ、車やバイクは手描きの時期でしたね。
今だったら、CGかしら?
アニメーターのマンパワーで、作り上げた、作品です。
また、夏実や美幸とも、かなり長くご一緒しましたね。
まさか、こんなに長くお付き合いする事になるとは思いませんでしたが、代表作のひとつになりました。私としては、思い出深い作品になっています。
縁とはふしぎなものですね。
「逮捕しちゃうぞ」に参加して、良い作品にしてくれたスタッフには、感謝してます。
メカニックデザインの村田峻治さんは、お亡くなりになりましたが、「逮捕しちゃうぞ」を支えてくれたスタッフのひとりです。
スタッフリストで名前を見るとまだ健在しているように思われます。

    ランキングゲーム・アニメ

    前日のランキングへ

    ニュース設定