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引退したタレント・中居正広と女性との深刻なトラブルに端を発した“性上納”問題に揺れ、CMスポンサーから総スカンを食らっているフジテレビだが、今春以降は大幅な制作費の削減が避けられない状況だ。
事実、フジテレビは『FNS歌謡祭』、そして『27時間テレビ』の放送を見送ることを発表。そんな折、同局はある番組の放送を巡って決断に迫られているという。
そもそも、現在フジは平日の午後2時台、3時台はドラマの再放送枠として編成しているが……同局関係者は明かす。
「かつてウチの局はこの放送時間帯の枠についてはワイドショーを自社で制作して放送していました。ところがCMスポンサーのウケが悪く、年々番組制作費が削られていく中でそうした番組を終了。苦肉の策としてドラマの再放送を流している状況です。ローカル系列局は収益が期待できる“テレビショッピング枠”として編成しているところも多いですね」
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そうした中、系列準キー局の関西テレビ(以下カンテレ)は2023年10月から生放送の情報番組『旬感LIVE とれたてっ!』を放送しているのだが、ここに来て同番組をフジでもレギュラー編成する可能性が高まっているという。
「同番組は月曜日から木曜日までは1時間、金曜日のみ2時間の放送ですが、4月からは月〜金とも2時間で放送する予定だそうです。番組はニュースを生放送で伝えるもので、内容的には強力裏番組のTBS系の『ゴゴスマ』や日本テレビ系の『情報ライブ ミヤネ屋』と丸かぶりします。とはいえ、近年は緊急性の高いニュースも多く、こうしたニーズにいつでも対応するには情報番組を編成するのが無難ですからね。とはいえ、“中居問題”もあってウチの局が新たに情報番組を立ち上げるのは予算的にかなり厳しいでしょう」(同)
さらに、『旬感LIVE とれたてっ!』の“東京進出”を後押しする理由は他にもあるとか。
「世間のフジに対する逆風が強まる中、そのとばっちりを恐れて現在、平日の午後2〜3時台で再放送にあてているドラマの出演者の所属事務所などから『ウチのタレントが出演している作品の再放送をしてほしくない』といった申し入れも増えているようです」(同)
そもそも、ドラマの再放送については視聴率が期待できる過去のヒット作や名作だからといって、テレビ局側も必ずしもすべてにゴーサインが出せるわけではないという。
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芸能ジャーナリストの平田昇二氏は語る。
「『不適切にもほどがある!』ではないですけど、ドラマが制作されていた頃と、令和の今とではコンプライアンスや表現可能な範囲などの基準も異なりますからね。例えばイジメだったり、セクハラだったりが作品の前面に出ているような内容のものや過激な表現や演出があるものについては、たとえ再放送といっても放送を見送らざるを得ないケースも多い。とくに渦中のフジに関しては、そのあたりの判断はかなりセンシティブになっているでしょうし、自然と再放送できるドラマの数も限られてきそうです」
こうした背景もあり、『旬感LIVE とれたてっ!』の動向が同局の局内でも注目を集めているようだ。
「『旬感LIVE とれたてっ!』を大阪からのネットで受けるか3月末までギリギリの調整を強いられています。すでに祝日や重要な政治の話題がある時はフジも臨時ネットした実績があるだけに移行はスムーズにいきそうです。ただ反面、東京でも流すとなれば政治関係の情報網はフジの報道局の全面協力が不可欠になる。これをカンテレと連動してやれるのかがポイントになるでしょう。読売テレビの『ミヤネ屋』がある程度成功した背景には、日テレの報道局から政治関連の情報収集について協力を得られて番組に反映できたことが大きいですし」(前出の同局関係者)
『旬感LIVE とれたてっ!』の東京進出は果たして実現するのだろうか。
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(取材・文=サイゾーオンライン編集部)