画像提供:マイナビニュース阪神電気鉄道は3日、急行用の車両8000系を2015年以前の「赤胴車」のデザインに順次変更すると発表した。「赤胴車」復活の要望か多かったことを受けて、社内で検討を重ね、開業120周年関連施策の一環で「阪神電車の顔」として親しまれた「赤胴車」へのデザイン変更を決定したという。
同社は1958年以降、通勤タイプの急行用車両(片側3ドア、車内はロングシート)として3301形・3501形を新造。車体上部を「クリーム」、下部を「バーミリオン」に塗り分けたことから、当時人気だったキャラクター、赤胴鈴之助にちなみ、「赤胴」の愛称が付けられた。以来、急行用車両はすべてこのボディカラーとなり、1984年にデビューした8000系も「赤胴車」のカラーを採用していた。
1995年の阪神・淡路大震災で被災し、8000系も一部廃車となったが、編成の組換えや代替新造車両の製造等により、現在は同社の最大勢力を誇る急行用車両(19編成、計114両)に。2001〜2015年度にかけてリニューアル工事を行い、当時の最新型車両だった9300系と同様、車体上部を「ブレストオレンジ」、下部を「シルキーベージュ」のツートンカラーに変更した。8000系のリニューアルが完了した2015年をもって、「赤胴車」は阪神本線および神戸高速線から姿を消している。
2020年、武庫川線の7990・7890形が運行を終了。これにともない、1958年から親しまれてきた「赤胴車」がすべて廃止となったが、その後も「赤胴車」復活の要望が多く寄せられていた。同社は4月12日に開業120周年を迎えるにあたり、8000系を2015年以前の「赤胴車」デザインに順次変更することを決定。7990・7890形の運行終了から約5年ぶり、阪神本線および神戸高速線で約10年ぶりに「赤胴車」デザインが復活することとなった。
「赤胴車」デザインの第1編成(8215編成)は5月下旬頃から運行開始する予定。8000系の全19編成を対象に、2025年から3〜4年かけて順次施行予定としている。(MN 鉄道ニュース編集部)