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2歳の息子に暴行を加えて死亡させたとして、広島県警広島東署は4日、父親の飲食店従業員、田中遥容疑者(23)=広島市東区戸坂くるめ木1=を傷害致死容疑で逮捕した。逮捕前の任意の調べに対し、「子どもが自分でけがをした。自分は手を出していない」との趣旨の説明をしていたという。
逮捕容疑は2024年10月24日午後1時半ごろ、自宅の集合住宅の一室で、長男の伊桜吏(いおり)ちゃん(2)の腹部に何らかの方法で衝撃を加えるか圧迫し、翌25日未明、肝臓がつぶれる肝挫滅(ざめつ)による出血性ショックで死亡させたとしている。
同署によると、24日午後1時45分ごろ、田中容疑者が「2歳の子どもの反応がない」と119番した。伊桜吏ちゃんが搬送された広島市内の病院から市児童相談所(児相)に連絡があり、児相が「虐待の疑いがある」として同署に通報した。
田中容疑者は、20代の妻と伊桜吏ちゃん、伊桜吏ちゃんの年下のきょうだいとの4人暮らし。
児相によると、24年1月、養育支援が必要だとする情報が寄せられ、東区役所と連携して田中容疑者の妻に対し、家庭訪問や電話を通じて子育てのアドバイス、福祉サービスの案内などを始めた。
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同年5月、状況が改善されたと判断して児相としての支援は終え、区役所が子育て支援を続けたという。田中容疑者については当時、虐待をうかがわせる情報はなく、面会していないという。
児相の松島智子初期対応担当課長は「亡くなられたことを重く受け止めている。必要な支援は行ってきたと考えているが、対応が十分だったか分析する必要がある」と話した。
田中容疑者と同じ集合住宅に住む60代女性は「2年ほど前に(田中容疑者が)赤ちゃんを抱き、奥さんと引っ越しのあいさつに来てくれた時は礼儀正しかった。亡くなった子どもが気の毒でならない」と語った。別の部屋の50代の女性は「父親の怒鳴り声などは聞こえなかった。まさかこんなことが起きるとは」と驚いた様子だった。【根本佳奈、中村清雅、安徳祐】
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