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札幌市西区で走行中の軽乗用車からタイヤが外れ、直撃した女児(当時4歳)が重体となった事故で、車の運転手と所有者の公判が5日、札幌地裁(渡辺史朗裁判長)であり、女児の父親が「身勝手さ、無責任さで事故を招いた被告らには重い刑罰を科してほしい」と意見陳述した。
「4歳の誕生日を迎えたばかりで、楽しいことがたくさんあるはずだった。未来は一瞬で奪われた」。父親は一言一言にはっきりと力を込めた。また、現場に居合わせた女児の姉が「何で大好きな妹にけがをさせたの。妹は何も悪いことをしていないのに。妹と遊べないのは嫌だ」と話していることを伝えた。
この事故では、所有者の田中正満被告(51)が道路運送車両法違反(不正改造)、運転手の若本豊嗣被告(51)が同罪と自動車運転処罰法違反(過失致傷)で起訴された。
起訴状によると2人は2023年10月28日、田中被告所有の軽乗用車のタイヤを不正に改造。足回りに異常を感じた田中被告から確認を依頼された若本被告は同年11月14日、タイヤを点検する注意義務を怠って運転し、外れたタイヤが衝突した女児に全身の完全まひを伴う頸髄(けいずい)損傷などのけがをさせたとしている。
両被告は起訴内容を認めている。
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女児は現在も意識不明で入院している。父親は「娘は何度も心臓が止まりかけたが、ペースメーカーを入れてなんとか生きようとしている。たんを取ろうとすると、痛いのか涙を流す」と事故後の様子を語った。
「娘は、痛い、つらい、助けてと私たちに伝えたくても、できない。家族にとってこれ以上の理不尽は考えられない」と訴えた。【後藤佳怜】
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