
Q. 「食後すぐに歯を磨くのは逆効果」って本当ですか?
Q. 「ご飯を食べたら、すぐに歯を磨いています。最近、食後すぐの歯磨きは、逆に歯に悪いと聞いたのですが、本当でしょうか? もしそうなら、いつ歯を磨くのがよいのでしょうか?」A. 食後すぐの歯磨きは逆効果です。できれば食後1時間ほどあけてから
食後すぐの歯磨きは、歯の健康にとって必ずしもよいとはいえません。従来は、プラークの早期除去に重点を置いて、「歯磨きは食後3分以内」という考え方が一般的でした。しかし現在では、口内環境の自然な回復を待ってから磨くことが、虫歯予防に効果的だと考えられています。食後すぐの口内は、pHが酸性に傾いていますが、唾液によって中和され、自然と中性に戻っていきます。歯の表面は、食べ物の酸によって少し溶けた状態になりますが、口内環境が中和される過程で、歯の再石灰化が進みます。
食後すぐに歯磨きをすると、この再石灰化のプロセスが妨げられ、また、表面が溶けた弱い状態の歯のエナメル質を傷つけてしまう可能性があるのです。
近年の虫歯予防法では、虫歯の原因になる「プラーク」の除去に加え、口腔内のpHバランスを考慮することが推奨されています。理想の歯磨きのタイミングは、食後1時間ほど経ってからです。
それでも学校や職場での限られた時間でブラッシングが必要な時は、すぐに磨いても構いません。まずはプラークを除去することを優先することを忘れないでください。
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丸山 和弘プロフィール
1995年より臨床一筋の現役歯科医師。歯科大学卒業後、仙台市東邦歯科診療所を経て地域密着型の歯科医師に。小さな子どもの虫歯予防から歯のホワイトニング、お年寄りの入れ歯の相談まで、数多くの症例と日々向き合いながら、虫歯、親知らず、口内炎、歯周病など、歯の健康を守るための情報を数多く発信している。(文:丸山 和弘(歯科医))