画像提供:マイナビニュースAlbaLinkは2月28日、「実家の片付けで困った物に関する意識調査」の結果を発表した。調査は2025年1月28日〜2月6日、実家の片付けをしたことがある500人(女性325人/男性175人)を対象にインターネットで行われた。
○実家の片付けをしたきっか
実家の片付けをしたことがある500人に「片付けをしたきっかけ」を聞いたところ、1位は「自分が実家を出る(32.2%)」で、3割以上の人から回答を集めた。2位「家族の死去(22.4%)」と答えた人も2割を超えた。
一人暮らしの開始や、親・祖父母の死去など、大きな生活の変化が実家の片付けのきっかけとなっていることが分かる。親の意向や物の多さといった要因は少数派であり、多くの人がやむを得ない事情で片付けに踏み切っているようだ。
1位の「自分が実家を出る」を選んだ人からは、「実家を出て一人暮らしするまでに、部屋の物を最低限に減らしたかったから」(10代/女性)といった声や、「私が一人暮らしをして家には両親だけになるので、『片付けるのが大変な物は、私がいるうちに片付けよう』となったのがきっかけ」(40代/男性)といった回答が寄せられた。進学・留学、就職、結婚などを機に実家を出ることになり、荷物を整理した人も多い。自分の部屋や自分の物だけ片付けた人もいれば、親と協力して実家全体を片付けた人もいた。実家から新居に荷物を移す際、「必要な物」「不要な物」の選別をするため、不要品の処分を同時にしやすいと考えられる。
2位の「家族の死去」を選んだ人からは、「祖父が亡くなった際、遺品整理を頼まれたため」(30代/女性)や、「父が亡くなり、年末にいろいろな物を整理・廃棄する必要が生じた」(50代/男性)といった声が寄せられた。実家で暮らしていた祖父母や親が亡くなったことをきっかけに、遺品整理として片付けを行った人も多くなっている。「母が亡くなり父親の一人暮らしになったので、食器などがひとり分でよくなったから」といった声もあり、実家が空き家になったわけではなくても、暮らしている人数に応じて整理しようと考えた人もいるとわかる。
3位の「親が希望した」を選んだ人からは、「親が片付けを進めるために、私が残している物をまずは整理してほしいとお願いされた」(30代/女性)や、「親から『自分に判断力があるうちに、家にある物の処分を手伝ってほしい』と頼まれて」(50代/女性)といった声があった。親世代が終活や、高齢になっても住みやすい環境づくりを進めるにあたり、片付けを依頼された人も多い。とりあえず自分の荷物を片付けた人もいれば、実家全体の片付けを手伝った人もいた。
同率3位の「親の引っ越し」を選んだ人からは、「実家が新しく家を建て、引っ越すことになったので」(30代/女性)や、「両親が長男の家で同居することになり、引っ越すことになった」(60代以上 男性)、「両親が老年離婚をし、父は施設へ、母は故郷に戻ったため、実家を退去することになった」(40代/女性)といった回答がみられた。実家の老朽化や、親が高齢になり住みにくくなったことを理由に住み替えを検討し、それを機に片付けを行った人も多い。住み替え後に家が空き家になって解体や売却をするなら、片付けが必要となる。親が施設に入居することになったからという人も複数した。
○実家の片付けをした際にもっとも困った物
実家の片付けをした際にもっとも困った物の1位は「大型家具(37.0%)」だった。2位は「思い出の品(31.0%)」、3位は「衣類(11.4%)」となっている。
大きな物や思い入れがある物、数の多い物が上位にランクイン。選別や処分をする作業・手続きが大変な物だけではなく、心の面で踏ん切りがつかない物にも困る人が多いとわかる。
具体的な回答を見ていくと、1位の「大型家具」を挙げた人からは、「子どもの頃に使っていた勉強机と椅子。古い物なのでかなり重たく、2階の部屋から降ろす作業が危険だと思いました。また3人分の机があり、量が多かったからです」(20代/女性)や、「本棚、ベッド。物が大きいので運び出すのに苦労しました。また売れる物でもないので、料金を払って捨てるしかありませんでした」(30代/男性)といった声が寄せられた。大型家具は処分する際に運搬や分解が大変であり、自治体の粗大ゴミ回収を利用する場合でも玄関先まで運ぶ必要があるため、家の中だけでも運搬が大変と感じている人は多い。売ろうにも配送料がかなりかかるため、フリマアプリに出品するのはためらう人が多数。リサイクル業者に依頼しても買い取ってもらえず、料金を支払って処分したという事例も多く見られた。
2位の「思い出の品」を挙げた人からは、「写真は二度と手に入らない物。かと言って取っておくのは場所を取るので困りました。結局今でも捨てずに手元にあります」(40代/女性)や、「思い出の品。とくに子ども時代の『文集』『写真』『部活のユニフォーム』などは、捨てる決断がなかなかできませんでした。感情が入り込むと作業が進まず、思い出に浸ってしまうことも多かったです。最終的には、スペースを考えながら必要な物だけを残しました」(50代/男性)といった声があった。思い出の品は人によってさまざまだが、例えば「写真・アルバム」「文集・寄せ書き」「プレゼント」などがあがった。また祖父母や親の遺品だと、自分ひとりでは決められないと考える人も。判断がすぐできなかったり、親兄弟に処分を反対されたりすると、処分作業が進まないようだ。他人が写っている写真や卒業アルバムに関しては、「プライバシーの関係もあって、捨て方に悩む」という意見も寄せられている。
3位の「衣類」を選んだ人からは、「大量の着なくなった洋服。ゴミ袋を大量に消費する。まだ着られるのにゴミとして捨てるのはもったいない気がする。でも売りに行くのは面倒」(20代/女性)や、「母親の大量の洋服。『タンス』『風呂敷』『段ボール』とさまざまな形で収納されているため、ひと部屋片付いたと思うと別の場所からまた出てきて、終わりが見えなかった」(40代/男性)といった声が寄せられた。少量であれば問題にならないが、大量にあると処分に困るという意見が多い。まだ着られる衣類は売りたいと考える人もいるが、量が多いとひとつひとつフリマアプリに出品するのは手間がかかり、リサイクルショップへの持ち込みも面倒に感じる人がいた。また、着物に関しては「もとは高価なのでもったいなく感じた」「査定に出しても買い取ってもらえなかった」という声もあり、高価な着物でもサイズが小さすぎたり汚れがあったりすると、思うような値段がつかないことがあるようだ。
○実家の片付けで役立った方法やサービス
「実家の片付けで役立った方法やサービス」を聞いたところ、1位は「フリマアプリで売る(23.8%)」、僅差の2位は「リサイクル業者の利用(20.4%)」だった。全体的に、不用品をお金に変える方法を選ぶ人が多いとわかった。
不要になった家財や衣類が使ってくれる人のもとに届けば、「物を粗末にした」という罪悪感も少なくなる。また「フリマアプリに出せる物は出す。大きな家財はリサイクル業者」など、処分したい物に合わせて使うサービスを変えた人も多くなっている。
具体的な回答を見ていくと、1位の「フリマアプリで売る」を選んだ人からは、「フリマアプリにはかなり助けられました。処分するよりも売ったほうがお金になりますし、捨てるという罪悪感もないので、ありがたかったです」(30代/女性)や、「子どもの頃集めていたシールが出てきて、フリマアプリで思わぬ高値で売れた」(40代/女性)といった声が寄せられた。フリマアプリを活用して、自宅の片付けで出てきた物を売却し、お金に変えた人が多い。衣類やおもちゃなど梱包・配送しやすい物なら、フリマアプリを利用することでお得に処分できる可能性がある。古い物が予想以上の高値で売れることもあり、びっくりした人もいた。一方で、安い値段でしか売れないこともあり、なかなか買い手がつかないケースも少なくない。そのため、「期日を決めて、売れなければ捨てた」など、メリハリをつけて利用した人もいた。
2位の「リサイクル業者の利用」を選んだ人からは、「リサイクル業者の利用は、使い古したスマートフォンなどの処分で役に立った」(20代/男性)や、「不要になったパソコンと一緒なら、他の家電も無料で引き取ってくれるリサイクル業者」(40代/男性)といった声が寄せられた。出張買取を行うリサイクル業者は、ひとりでは運べないような大きな家具や家電の処分に適している。「買取で値段がつかなくても、引き取ってもらえるだけでありがたい」「自宅にいながら処分できて良かった」という声もみられた。大型家具の処分に困った人にとっては便利な手段だったことがうかがえる。ただし、リサイクル業者の中には「必要な許可を取っていない」「無料で回収すると言いながら、実際には処分費用を請求する」といった悪質な業者も。そのため、利用時には信頼できる業者かどうかを見極める必要がある。
3位の「自治体の粗大ゴミ回収」を選んだ人からは、「フリマアプリなどに詳しくなく、また急いでいたので、自治体の粗大ゴミの案内に沿って大量に処分した」(30代/女性)や、「廃品回収業者の見積もりはとても高額だったので、自治体の粗大ゴミ回収を利用しました」(40代/男性)といった声があった。売らずに捨てるのであれば、自治体の粗大ゴミ回収が候補となる。リサイクル家電や自治体では処理困難な物は断られることもあるが、多くの家財を回収してもらうことができ、処分にかかる料金がわかりやすい点も安心材料となる。一般的な手続きは、「まず自治体で粗大ゴミ回収を予約し、コンビニなどで回収用シールを購入し、指定された日に出す」となる。ベッドなどの大型家具を自分で収集場所まで出せない場合は、分解するか、リサイクル業者・回収業者に出張回収を依頼する方法がある。(Yumi's life)